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YOURBAN300 2024#38 駆動系清掃

PIAGGIO MP3 YOURBAN 300 聞いたことがない車名である。
停止状態から加速した後に減速すると、次に再加速しようとしたときに失速してしまう、と言う。
駆動系じゃないですかね?としか答えられなかったが、よくよく考えると燃料系の不調もありうる。
失速するときにエンジンの回転があがらないのであれば、燃料ポンプかインジェクター、あるいは、燃焼系のトラブルでも同じことが起きるな、と気づいたのは現場に着く直前であった。
とはいえ、燃料・燃焼のトラブルなら、専門店に持ち込まないと回復はむつかしいのではないか、とも思う。

けれども、じつは相談をする前に、わりあい近くの代理店に電話したところ、自社販売車両以外お断りと回答されたらしい。
輸入車あるある、だな。

販売店の気持ちはわからなくもない。
代弁するつもりも、代弁できるとも思わないが、中古車は多くの場合、多少なりとも整備点検して記録をつけた後に販売される。
その記録がない車両は、修理に持ち込まれるとゼロから点検をして状態の確認からはじめる。
その初回点検費用を納得づくで支払うオーナーはあまりいなくて、結果として、あのバイク屋は高い、との評判につながってしまうことが起きうる。

逆にいえば、この点検内容をパッケージ化して請け負う業者が現れたら、けっこう注目されるビジネスモデルになるように思う。

とはいえ、輸入車はやはりむつかしい。
古い輸入車は資料を入手するのがむつかしいし、新しい車両は資料が多すぎて判別が困難、が実感である。

問題のPIAGGIO MP3 を調べてみると、そこそこ息の長い車両で数種類のバリエーションがあり、排気量も300ccだけでなく、250・400・500 があるようだ。
日本車でも仕向け地によって細かく仕様を調整して輸出することがあるので、状況は理解できる。
わかりやすいところでは、ヘッドライトの光軸で、英国向けには変更なしでよいが、そのほか大半の国へは調整しないと対向車を眩惑してしまうことが起きる。
これも21世紀以降は、むしろ左側走行専用にヘッドライトを設計しなくなった傾向になり、実運行上はあまり議論されなくなりつつある。

などと、輸入車にまつわる話を伝えつつ、どうしましょう?と相談した。
予定どおり駆動系を点検するのはよいけれど、そのほかの整備点検は手に負えないかもしれない。
伝わったのか、伝わらなかったか判らないが、中古で買った後、駆動系は点検していないので見ておきたい、と言う。
賢明と思います。

開けてみると、国産車にはないガイドローラーが現れた。
けど、ベルトには接触はしていない。

なんでしょうね、これ?
と言いつつ、ウエイトローラーを取り出すと、極端に動きの悪いものがひとつある。
これ1コで、加速・減速・再加速がうまくいかなくなる可能性はあるだろうか?
しばし議論をしたが、なんにしても動きが悪いのはよろしくないので、少し削って戻すことにした。

あまり、くどくど言わなかったけれど、ウエイトローラーがひとつでも動きが悪ければ、加速・減速はスムーズにできないと思う。

早く確認してほしいところだけど、車検が切れているんだって。

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