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ジャイロキャノピー 2023#15 左後輪ベアリング交換

「左側をふつけちゃったんですよ」

三輪車の内輪差を考えてみたことのある人は、あまり多くないと思う。
二輪と四輪の内輪差について語られることはあるけれど、三輪については乗っている人でないと意識することは少ないであろう。
後輪が二輪の三輪車の場合、前輪の描く弧よりも後輪は小さい弧を描く。
文章にするとむつかしく感じるが、エンジンをかけずに押して歩いてみれば解りやすい。
自分がいるほうに曲がってみると、後輪で足を踏んづけるからだ。
ジャイロキャノピーはさらに、車重が大きいし、高さがあるので、乗りづらい車両だよな、と個人的には思う。

三輪車のオーナーはとうぜん乗り慣れているので、一般的な二輪車よりも外側を回るつもりで左折する。
それでも、たまに歩道に乗り上げたりすることがあると言う。
都心から少し離れたところになると、角が立っている縁石が交差点に配置してあって、何度かぶつけたことがあるとも言っていた。

後輪を縁石にぶつけると、そのダメージはどこに出るのか見極めるのはむつかしいと思う。
空気が抜けるほどホイールが変形していれば、駆動輪を一式点検・交換であろう。
けれども、ぶつけた感触はあったんだけど空気は抜けていないし、だいたいどこがぶつかったのかわからない、といった場合、見た目で判断することはできないのかもしれない。

というのもジャイロキャノピー、ディファレンシャルとクランケースのオイルシール、カバーのベアリングと、アクスルシャフトが3箇所で支えられてホイールを回している。
ホイールにダメージがあれば、すべてダメージがある可能性があるし、ダメージをホイールが吸収したかもしれない。
オイルシールが痛むとミッションオイルが漏れたり滲んだりするのでわかりやすいが、かなり激しくぶつけないとオイル滲みは起きないようである。

今回は、タイヤの空気漏れもなければ、ホイールナットが緩んでもいない。
ただ、
「ベアリングが鳴っているような気がするので替えてほしい」
と言う。
ベアリングだけ交換して解決すればよいけど、と内心思うが、替えてくれろと言われれば替えますよ。
15時に連絡をもらって19時から作業を始める、なんていう時間軸だと、そうならざるをえない。

組みあがって試乗した感想は
「静かにはなった気がする」

本当かね?
次回は陽のあるうち、でお願いしたい。

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