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iri ライブレポート

大きな多幸感で包まれた5月の真夏日。
仙台での暑い熱いライブパフォーマンスに歓喜!


iriイリとは

iri

神奈川県出身。地元のJAZZ BARで弾き語りのライブ活動を始め、2014年ファッション誌NYLON JAPANとSony Musicが開催したオーディションでグランプリを獲得する。HIP HOP/R&Bマナーのビートとアップリフティングなダンストラックの上をシームレスに歌いこなすシンガーソングライター。

2016年ビクターよりメジャーデビューし、iTunes Storeでトップ10入り、ヒップホップ/ラップチャートでは1位を獲得。翌年にはNikeのキャンペーンソングを手掛け話題となる。数多くのファッション誌にも登場し、フランスのフェスや中国でツアーを開催するなど海外でのライブにも出演し、多方面から注目される新進女性アーティスト。

2021年10月にデビュー5周年を迎え、「iri 5th Anniversary Live “2016-2021”」を開催し、BEST ALBUM「2016-2020」をリリース。同年11月23日にリリースされたRADWIMPSのアルバム「FOREVER DAZE」に「Tokyo feat.iri」で参加。
2022年2月に、5th ALBUM「neon」をリリース。10月13日に東京国際フォーラム ホールAにてiri Presents ONEMANSHOW "STARLIGHTS"を開催した。

2023年5月に、6枚目のアルバム「PRIVATE」をリリースし、5月17日から自身初となるホールツアーを開催する。

(iri OFFICIAL WEBSITEより)


iri Hall Tour 2023 “PRIVATE” 仙台公演に行った/クールマイン的見聞録


日付:2023年 5月18日(木)
会場:トークネットホール仙台(仙台市民会館) 大ホール

天気は晴れ。
仙台では午前中に31.4度(!!)を観測し、今季初の真夏日を5月にして記録した。なんでも観測史上3番目の早さらしい。
天気にもガッチリ恵まれた本日はiri初の全国ホールツアー、二日目の仙台編。昨日の神奈川からスタートし、8箇所を回る予定だったが、福岡、大阪、愛知、東京が既にソールドアウトとなり、大阪は追加公演も行われる盛況ぶりだ。
前回公演である昨年6月は仙台PITでのライブを大成功に収め、今回はキャパシティーを上げての本会場。地方都市、ド平日の客入りに一抹いちまつの不安はあったものの、ふたを開けて見れば杞憂きゆうに過ぎなかった。リリースとライブを重ね、アーティストとして着実なスケールアップを図ってきた彼女のステージを、今か今かと待ち望んだファンが続々と会場に集まってくる。


ニューアルバム『PRIVATE』がリリースされてからまだ8日と (祝!Apple Music J-POPアルバムチャート1位獲得!)フレッシュな反応が期待される中、客電が落ちるとクラッカーのような破裂音で場内にハンドクラップが鳴り響く。バスドラのキック音が”ドン!ドン!ドン!ドン!”と心の臓を鼓舞こぶさせる中、颯爽さっそうと登場したiriに大きな歓声が集まった。ダンサブルでスタイリッシュ、ラグジュアリー感もきらびやかな『friends』でしょぱなから沸かせにかかるステージ上。Wavy(iriファンの総称)もおくせずライドンし、追従していた情景が胸を熱くさせる。に、しても何故だろう?開始早々あまりに早い感情の高まりじゃないか?そう考えた矢先、一瞬で答えは出た。そうだ。声出しOKのライブなんだ。ホールクラスのライブイベントで客席からの声援や歌声が聴こえるというのはこんなにも臨場感が違うんだな。心地良い共鳴の中、数年前は当たり前だった事を再認識していた。

* * *

新旧織り交ぜつつライブパフォーマンスは熱を帯びながら進行し、呼応するオーディエンスとの時間はあっという間に過ぎて行く。ニューアルバムの曲がいち早く生で聴けるのは嬉しいものだが、あれも聴きたい、これも聴けて嬉しい!のようなファンの深層心理をくすぐる充実したセットリストだったのではなかろうか?人懐ひとなつこいMCでイイ感じに脱力させたかと思うと、説得力の塊のような歌唱力で一気に引き込み、会場を魅了みりょうする。緊張と緩和じゃないが、このギャップ、緩急はクセになること請け合いなのだ。初のホールツアーのプレッシャーだとか、ニューアルバムのリアクションなど、普通は嫌でも様々なノイズが気になるところを、変な気負いをファンに見せず、一つ一つのライブを楽しんでいる様子は本当にクールな事だと思った。時折お客さんとの会話のキャッチボールを楽しみながら、iriのポジティブヴァイブスで場内が十二分に満たされた頃、アルバムリード曲『Season』が始まり、一際ひときわ大きな歓声が巻き起こった!個人的にもライブで聴きたかった曲。ゆえに自然とサビが口をついて出てしまう。内省的なリリックで構築された、かすみがかったような世界観も浮遊感があって魅力だが、この曲はスカッと霧が晴れたかのように、あるしゅ達観たっかんした潔さが気持ち良い。歌詞の中にある”どうやら思うほど 悪くないこの世界は”を一つでも多く積み重ねて行くことが、明るく生きる処世術しょせいじゅつとも思えてくる。Wavyの興奮も冷めやらぬ間に『Wonderland』(祝!5,000万ストリーミング再生突破、日本レコード協会ゴールド認定獲得!)のイントロが響くと、更なる盛り上がりで熱いグルーヴが巻き起こる。空調よ!(笑)

* * *

瑞々みずみずしく息の合ったバンド演奏と、非常に趣向の効いたトラック。そこに乗せていくクールなラップは音源よりも良い意味でラフかつスムースだ。天賦てんぷの才とも言える歌声はストーリーテリングの力強さを兼ね揃え、繊細な歌い回しによる心の機微きびや、エモーショナルな心情の解像度が高く、真芯で若者の心に刺さる。ウィットに富んだ実験的な側面もチラ見せしつつ、頭でっかちにはならない親しみやすさ。そしてキャッチーなフックを次々と生み出すメロディーメーカーでもあるのと同時に、引き出しの多さや技量の高さだけではリーチ出来ない部分まで辿り着く彼女のマジックがあり、各方面で多くの支持と称賛を集めている。つまるところ語彙力ごいりょくを破壊して言えば、めちゃくちゃカッコいいシンガーソングライターであるという事だ。
後半はアコギを手に取り弾き語りスタイルの場面も多く、今回も彼女の真骨頂でありアップグレードした原点を垣間かいま見れた。重厚で蠱惑こわく的なクラブビートとのコントラストで、良く通る歌声が深く浸透していく。

痺れて・染みて・浸れてと心地良い起伏きふくを繰り返し、無事終演。多幸感に背中を優しく押されながら帰路へと向かうオーディエンス。「次仙台に来れるのはいつかなぁ?」そんなMCも印象的だった。すぐに”会いたいわ”となった方は残りのホールツアー、札幌・岡山・大阪(追加公演)あたりに旅行がてら駆け付けるのもアリかも!

余談にはなるが、アンコールを求める拍手のリズムが各々バラバラだったのが、あるタイミングでピッタリ合って一体感が生まれる瞬間も面白かった。こういう醍醐味もあるから生のライブやコンサートは楽しい。皆様猛暑の中、ご来場ありがとうございました&大変お疲れ様でした!


つい最近、今回のアルバムについて各メディアでのインタビューを読んだ。そこに語られる内容として一貫したワードで目にしたのが、「良い意味で肩の力が抜けた」というコメント。”等身大”とは少しニュアンスが異なる”リアル”を音源から感じていただけにストンと腹に落ちた。角が取れ丸みを帯び、尚且つなおか詩情豊かになっている。自ら課したそのハードルを軽く超えてくるような才能とポテンシャルを秘めているアーティスト、iriの動向に今後も目が離せない。


【ライブ情報】

iri Hall Tour 2023 "PRIVATE"

5月25日(木) 北海道・カナモトホール
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)ウエス:info@wess.co.jp

6月2日(金) 福岡・福岡国際会議場 メインホール ※ SOLD OUT 
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)キョードー西日本:0570-09-2424

6月6日(火) 岡山・倉敷市芸文館
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)キャンディープロモーション岡山:086-221-8151

<<追加公演決定!>>
6月8日(木) 大阪・サンケイホールブリーゼ 
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)清水音泉:06-6357-3666

6月9日(金) 大阪・サンケイホールブリーゼ ※SOLD OUT
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)清水音泉:06-6357-3666

6月16日(金) 愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール ※SOLD OUT
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション:052-320-9100

6月18日(日)東京・東京ドームシティホール ※SOLD OUT
OPEN 17:00 / START 18:00
(問)クリエイティブマン・プロダクション:03-3499-6669

<チケット料金>
前売り 7,000円 (税込) / 当日 8,000円(税込) ※全席指定


【アーティスト情報】


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