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【インタビュー記事】アジアで出会った起業家たち(4)

*この記事はCoolmeが編集を務めているintroduStarからのリライト記事です。

デザイン以上のものを追い求めたいーBeautiful Hands Yvonne Chia

こんにちは、Yvonneさん。今日はお忙しい中ありがとうございます。Woon Hungのアクセサリーは、本当に木の【ごつさ】を感じさせない素敵なデザインですね。

Yvonne (以下Yv):はい、ありがとうございます。フィリピンにある白木やパンガントゥオンといった木を使っています。とても質がよくて、滑らかなのが特徴な木なので、色々な形にして作りやすいのですよ。また商品は樹脂を使っているものもあるんですすが、子供が口に入れても安全な素材を使っています。

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デザイナーの仕事は、デザインだけではないーWoonHungのきっかけは、トレード・ショーだった


フィリピンといえば、『WoonHung』のアイテムはフィリピンで作られているんですよね。フィリピンでモノづくりをするきっかけというのは、何だったのでしょうか。

Yv: 初めは、フィリピンで行われていたトレード・ショーに参加したのがきっかけでした。そこでパートナーを探すということより、人に頼まれてショーのレポートを書くことが本来の参加目的だったのです。

そこで運命の出会いがあったんですね(笑)

Yv :はい、そこで出会ったフィリピンの出展者達との出会いがありまして・・。彼らのことを知るうちに、彼らの活動しているセブ島の小さな村では、1つのコミュニティ(問屋制家内工業ーCottage industry)でアクセサリーを作っていることを知りました。色を塗る人、組み立てる人、金具を付ける人、デザインをする人など。そこでは、素晴らしいデザインでアクセサリーを作っているのです。ただ彼らは”売れる”や”洗練されたデザイン”というものを知らない。では長年デザインをやってきた私が、ディレクションをすればいいものができ、このコミュニティに還元できるのではないか、と思い、ブランド立ち上げに至りました。

デザイン以上のものを追い求める

コミュニティに還元、とは?

Yv :利益を得るために、生産者のコストを搾取して利益を追求するのではなく、商品に「適正」な価格をつけ、勿論、我々の利益も妥当に出し、そして正当な支払いを取引業者に行う、そうするとこの業者達のコミュニティの生活を発展させたり、生産をあげることができる、そういったエコシステムを作っています。従って、商品の価格に関して問い合わせがありますが、この体系を変えるつもりはありません。

なるほど・・まさに地域に貢献した形ですね。我々が『WoonHung』の商品を購入すれば、彼らに還元できる仕組みになる・・まさにハーバード大学教授、マイケル・ポーター氏(Michael E Porter )の提唱する共有価値の創造ー (CSV Creating Shared Value)に相当する内容ですね。

Michael E Porter 氏の提唱する共有価値の創造とはー経済的価値を創造しながら、社会的ニーズに対応することで社会的価値も創造するといった内容 (参照:Creating Shared Value )

Yv : 勿論、私たちはいいモノを作っていきたい、だからといって、安売りをして生産キャパを増やすようなことはするつもりはありません。勿論クライアントやお客様は大事、ですが目先をデザインや商売根性”だけ”に向けるやり方ではなく、敢えて生産者側に立ち、彼らの立場を尊重することを大事にしたい、そして私たちは小さいかもしれないけど、その地域を活性化させていくようなモノづくりをしていきたいと思っています。

まさに社会貢献ーサステナビリティを達成していく形でしょうか。

Yv :そうですね・・サステナビリティというと、私たちが原材料として使っている木材も、フィリピンのGo Green という環境保全のプログラム活動で対象になっているものです。木を増やしていくために、この木材を使う木を切って、そして消費、そしてまた木を植える、そんなエコシステムを行っている現地の活動をサポートしています。そう、デザインだけではなく、それ以上のものを『WoonHung』では追い求めているんです。

その他にもいろいろな活動をブランドではされていますよね。

Yv:はい、WoonHung Mia シリーズといったラインを展開していて、売り上げの一部をフィリピンの小学校で必要なものー例えば鉛筆とか、文房具、そして校舎の修繕費など、具体的なものを寄付しているんです。

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Mia 、というのは、ご友人のMiaさんのことなんですってね。

Yv: はい、友人のMia Watanabeさんが、彼女のご自宅で働いていたメイドさんが、自分のお給料をこの学校に寄付をしているという話に感動し、Woon Hungとのコラボを希望されたのがきっかけです。

そうなんですね。このストーリーが感じられるこのアクセサリー、とっても可愛いです。そして更に、『WoonHung』のブランドの価値が感じられますね。

WoonHungのようなアイテムは、日本ではあまり見かけない

それにしても、こういった木のアクセサリーでソフトなデザインは、なかなか日本でも見かけません。私は個人的にフィンランドにいたときに、木のアクセサリーに凝っていましたが、やはり少しごつかったですね。

Yv:そうですか、私たちが使用している木は、本当にしなやか、かつ滑らかで、とても作りやすいのです。私自身、日本は何回か足を運びました。勿論、ブランドとしていつかは進出してみたいです。今は、このシステムをうまく回すことに集中しているので、順を追ってやっていくつもりです。

それは楽しみですね!きっと日本の女性に人気が出ること間違いなしですよ!今日は本当にありがとうございました。



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