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ノーマスクのパーティ形式「エミー賞」授賞式を見ながら、アメリカはコロナに勝ったらしいことを知る。

9月13日の午前中、第74回エミー賞授賞式をU-NEXTで。同時通訳も一生懸命やってくれてるけど、固有名詞の言い間違えを聴くのが苦手なので、週末に字幕がついたら再見しよう。やるね、U-NEXT。

授賞式はLAのマイクロソフト・シアター。3年ぶりのパーティスタイルでノーマスクなのがすごい。アメリカはコロナに打ち勝ったんだ。いや、ほんとすごい。一応出席するにはワクチン接種や陰性証明をしなくちゃいけなかったらしい。それでも、一人だけビル・へイダーがマスクをしているのが目立つ。彼は自己免疫疾患があり、薬も飲んでいるとのこと。傑作「バリー」で3度目の主演男優賞を狙うが、さすがに連勝はしなかった。

アワードの結果は衆知のとおりだけど、日本では「イカゲーム」のイ・ジョンジェ主演男優賞とファン・ドンヒョク監督賞獲得が大騒ぎになっていた。確かに去年大人気だった配信ドラマで、無視するわけにもいかなかったんだろうけど、授賞式での扱いはさらりと流されていた。拍手を彼らに贈りながらも「お前、誰やねん」な表情の客席ゲストを抜いたりしてさ。最優秀ゲスト女優賞(イ・ユミ)、視覚効果賞、スタント・パフォーマンス賞、プロダクションデザイン賞の4部門もとったのに、ネットフリックス勢は今回は控えめだ。邪推だけど、「あげとかないと後で揉めるから」な調整でもあったのかしら。

盛り上がりにおいては「メディア王」や「ホワイトロータス」、「テッド・ラッソ」の比ではなかった。ゼンデイヤなんて、「あたし主演女優とるに決まってるんですけど」オーラを発してました。確かに「ユーフォリア」での彼女は「とるに決まってる」のだった。「ユーフォリア」はもっと観てもらいたい傑作。

途中でOutstanding Vaiety Sketch Seriesとして「サタデーナイト・ライブ」が受賞。ケイト・マッキノンに付き添われてローン・マイケルズが壇上に上がった。1975年にスタートした伝統的なバラエティ番組で、ローンは途中はずされている時期もあるが、40年以上も現役で関わっている。現在77歳。今回のエミー賞でも、司会のキーナン・トンプソンはじめSNL組がわんさか出ていた。モリ―・シャノンなんか泣けてくる。

また、INSTITUTE ON GENDER IN MEDIAの功績でジーナ・デイヴィスが表彰された。日本ではわかりにくのだが、疎外されがちなアイデンティティ(女性、有色、性的マイノリティ、高齢、障がい等)が、メディアでの扱いを研究する場所を創設したんだと。インクルージョンってやつですね。臭いものにフタをしたがる日本では難度が高いやつだ。

タロン・エガートンとポール・ウォルター・ハウザー、「一流シェフ~」の二人、「力の指輪」の二人、「キャシアン・アンドー」からディエゴ・ルナなど、来年を狙ったプレゼンター登場も楽しい。衝撃のオマケとしては、「ホワイト・ロータス」受賞で全員登壇した時のアレクサンドラ・ダダリオ(実はファンなんですぅ)。ドレスがスケスケでうっすらニプルが見えていたし(インスタ等では修正)。絶対狙ってるな、こいつ。気になる人は「トゥルー・ディテクティブ」のシーズン1をどうぞ。

配信勢もがんばっているが、やっぱりHBO(maxも含めて)が安定的に強い。当たり前だけど、よいドラマを作れば、そのPFの信頼が上がる。ディズニープラス(STARブランドね)やAppleTVが良作を出すことは、先行覇者のNetflixを脅かしているのが面白い。

やっぱショービズっていいよなぁ、と豊かな気持ちになる一方、現時点で未見の作品が多すぎて、いったいどこから手を付けて消化すればいいのか、絶望しているのも確か。
ようやく見始めた「テッド・ラッソ」に痺れっぱなしで、「あぁ、もっと早く観ればよかった」とむせび泣いている。



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