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初めて書くことがいきなり専門家からツッコミ入りそうな案件について

軽く自己紹介

はじめまして。クールコスモスと申します。交通や旅行、ゲームなど、多種多様な趣味を持っております。専門家という訳でも、何かを評論するだけの頭脳もあまり持ち合わせておりませんが、思ったことをつらつらと書き連ねていきたいと思っています。


ゲート付き車載型自動改札機

この計画、知っている方いらっしゃるでしょうか?まあ、知る人ぞ知る、みたいな計画なんですが。これ、無人駅のノーラッチ対策として有効だと思ったんですよね。随分前からJR総研や一部の鉄道会社は考えていたみたいですが…

「は?車載型改札機なら既にJR西日本が以下略」と思う方、まあいらっしゃると思います。確かにJR西日本は、ワンマン列車に車載型ICリーダーを設置して、ICOCAエリアの拡充を図っています。ですが、私が考えている車載型改札機は、あのようなタイプのものではなく、JR総研が以前研究していた、「ゲート付き車載型改札機」です。

例えば、この腕木型車載自動改札機。恐らくICカードをかざす読み取りエリアしか想定されていないと思いますが、これでも充分機能を果たすことが出来ます。実際、この分野の研究は随分前から行われていることもあり、このタイプの改札機はかなり前から試作されています。ですが、これだと金を払いたくないタダ乗り要求クソ人民はバーを乗り越えてしまうでしょう。ですが、駅常設タイプの扉は設置できない…ならどうするか。そこで私は、「片側に2枚の板を重ねて設置し、閉まる時はそれが両側から扇状に出てきて互いに重なる扉」を考えました。探したらあったんですけどね。

タイトル未定のやつ、多分タップすれば鉄道総研の論文が出てくるかと思います。もし開けない時は、「車載用横開き式自動改札機の試作と基礎的システム検討」と検索していただければヒットするはずです。

ただ、ここまで様々な研究成果や論文などを見てきましたが、一つだけ足りない要素があるんです。それは…

切符どうすんの…?

という問題です。

「え?切符なんか廃止でいいじゃん。」と、私も思っていた時期がありました。でも、鉄道会社でアルバイトとして改札窓口にいると気付くことがありました。

切符…バンバン使ってるやん…

はい、切符利用者、バリッッッバリ居ます。いやまじで。JRは長距離券をはじめとして、回数券利用者も多く、私鉄でも会社によりますが回数券利用者が少々多いです。そんな人のために、切符も使える車載型改札機が必要だと思いました。

ですが、有識者の方ならわかるはずです。「なぜ駅常設の改札機があんなに大型なのか」を。それすなわち切符のせいなんですよ。中を見たことがある人ならわかると思いますが、着札回収箱や取忘れ等の別集札回収箱、切符を反転させる反転部、回数券にスタンプを押す印字部、磁気を読み取る読取部などなど、切符が使える改札機には、中に様々な設備が凝縮されていて、これを小型化して車載化できるかといわれれば、ほぼ100%無理です。では、どうすれば切符も読み取れる車載型改札機が作れるのでしょうか?私の拙い頭で考えた方法で、2つのやり方があります。


1.読取ることだけに特化した切符挿入口を作る

https://www.systemgear.com/products/pdc210/pdc210.html

上のURLは、とある会社様のJIS2規格の磁気カードを読み取る磁気カードリーダーですが、磁気の読み書きに特化すれば、このサイズのものにすることができます。さらに、鉄道各社の多くが、日本で広く使用されている、一般的なエドモントン券サイズの切符に対応した磁気券読取・書込み機を有人窓口に用意しています。これらを応用すれば、小型の磁気読取口を車載型改札機に併設することが可能となり、それを読み取った結果をコンピュータが自動判別、問題なければゲートが開くという方式にすれば解決です。この方法にすると、現行の券売機や切符のスタイルを何ら変更せずに車載型改札機を導入することができ、トータルコストを抑えることができるというメリットがあり、JR線や大手私鉄の様に、他社線や非ワンマン路線・無人駅がない路線が絡む際にいちいち切符の仕様を変更せずに済むため、現実的に波及させるならこちらが一番良いでしょう。ただし、当然世の中のあらゆるものに欠点があるように、この方法にも欠点が存在します。それは「きっぷの読み取りに少々時間がかかるため、乗降に手間がかかる」ということです。小型の磁気リーダーの特徴として、磁気券の読み取りをする際、読み込んでから射出されるまで凡そ1~2秒かかります。通常の自動改札機の読み取り速度が1秒未満であることを考えると、これは少々時間がかかります。つまり、乗降に余計に時間がかかるということです。車載型改札機というだけで通常より乗降に時間がかかるというのに、ICと違って瞬時にゲートが開くわけではないとなると、少々厄介な面があります。これについては、無人駅では車載型改札機を、利用客数の多い有人駅では駅常設の改札機を使ってもらうというスタイルにすれば、乗降客数の多い駅での問題はクリアできますが、少々課題がありそうです。そんな乗降時間の問題を軽減する方法が、2つ目の方法になります。


2.切符に印字されたQRコードを読み取るカメラをICタッチエリア中央に設置する

この方法は、現在沖縄県唯一の鉄道であるゆいレールにて実施されていますが、ICカードエリアの中心に、切符にあらかじめ印字されたQRコードを読み取るためのカメラを設置しすることで、ICカードと変わらないスピードで改札を通過することができるという画期的なシステムです。この方法であれば、既存の車載型改札機のICカードエリアの中心にカメラを増設するだけですので、スペースは現在研究されている車載型改札機の成果を応用することが可能です。また、切符の磁気を読み取る時間がかからず、スムーズに改札を通過することができるため、1つ目の方法で課題となる乗降時間の問題も、ICカード利用者と同様の時間で済み、多少軽減されます。ただし、こちらの方法を採用する場合、車載型改札機の開発コストは段違いでしょうが、ほかの面で問題が発生します。それは「現行の券売機や切符のスタイルを全て変更しなければならない」ということです。ゆいレールのような独立した路線での採用であれば、さほど問題にはならないでしょう。設備投資額が増えるだけです。しかし、上述したようなJR線や大手私鉄の様に、他社線や非ワンマン路線・無人駅がない路線が絡む場合、この方法は悪手となります。切符の仕様を統一することは、同一会社線内であれば不可能ではありませんが、他社線にまでその手を伸ばすことはまず不可能といっていいでしょう。つまり、使える範囲が限られるのです。他社線とのつながりが全くない、独立した改札を保有している私鉄であれば、この方法で車載型改札機を導入することはできますが、信用乗車方式を採用している大手鉄道会社の一部路線では、そうしたことはできないと思われます。そういった会社線は、上記の小型磁気リーダーを併設するしかないでしょう。


如何でしたでしょうか?いずれの方法も、有効な方法ではありますが最適解ではないでしょう。多かれ少なかれ、JR総研などの各研究チームもほかの方法を模索している可能性は大いにありますが、全く技術畑を踏んでいない、一駅員経験者として、鉄道オタクとしては、この方法なんてよいのではないか?と思ってつらつらと書き連ねてみました。ぜひ、読んでいただいた方のご意見・ご感想など、頂けましたら幸いです。

では、今回はこのあたりで筆をおかせていただきます。ありがとうございました。

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