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平野レミさんは愛の人でした

第二回目のゲストは料理愛好家の平野レミさん

4月のポッドキャストは、料理愛好家の平野レミさんがゲストでした。
自分らしく料理を楽しむレミさんの幼少期の原体験から味望人(未亡人)となった現在に至るまでの、あふれる料理愛と夫・和田誠さんへの愛を赤裸々に語っていただきました。

豚と調味料は「男と女の関係と同じ」という話

小竹:そのときは、レミさんはどういった料理を作っていたのですか?
平野:デタラメ料理よ(笑)。家に醤油とか砂糖、塩、みりんとかしかなかったから、色んなものに入れて作ってた。でも、きんぴらごぼうとかはうまく作れてたわね。
小竹:そうなんですね。
平野:新婚の頃、中華屋さんでトンポーローを食べたときに、箸で切れるくらい柔らかい角煮だったの。それを家で再現したくて、醤油とかみりんとかを入れて試行錯誤したんだけど、やればやるほど硬くなっちゃうの。
小竹:うんうん。
平野:普通は煮れば柔らかくなるのに硬くなるのが不思議で…。角煮用の豚肉をたくさん買って来ていろいろやって最後にわかったんだけど、まず豚をコトコト煮て柔らかくなったところに調味料を入れると、豚の中に入っていくのよ。
そのときに思ったのは、豚が女性で調味料が男性だとすると、「好きだ好きだ」って最初から調味料をじゃんじゃん入れると、豚はまだそういう気持ちになっていないからカチカチに硬くなっちゃうの。
小竹:おもしろい(笑)。
平野:豚が柔らかな気持ちになってきたときに、調味料が「好きだよ」と言えば「私も好き」って豚も受け入れ態勢が取れるのよ。だから、豚と調味料は男と女の関係と同じよ。
小竹:算数だけではなく、料理は恋愛も学べるんですね(笑)。
平野:そうなの。料理本でもそうやって教えるといいと思うけどね。

※ポッドキャスト"ぼくらはみんな食べている”平野レミさん前半より

レミさんというと、生放送中にお皿の上にどんとのせたブロッコリーが倒れたり、お皿で鍋を混ぜたり、パスタを膝で割ったりなど、面白いことエピソードがたくさんあるので、お料理もなんとなく大味なイメージを持つかもしれないのですね。

実は野菜がたっぷりで、調味料もとても少なくシンプルで、そして簡単。
味わいも、とっても優しくて、チャーミングな盛りつけ。
お料理一つ一つに、大切な家族への思いやり、そして素材を大事にする優しさ、楽しさが溢れているんです。

レミさんにお会いすると、いつも表情、声、言葉全てから溢れ出る、全ての人をハッピーにするビームみたいなものを感じます。テレビで見かけるより、ずっとすごいのです。

小竹貴子撮影

レミさん好きな私が、最近作ったレミさんのお料理たち(つくれぽしたい)。
日本で上位10位くらいに入る、自称レミさん料理マニアではないかと思っております。
そんな中今回収録の中で、レミさんに”料理愛好家”を名乗っていいとお話しいただいたのは、(いやどさくさ紛れにお願いした?)もう死ぬほど嬉しかったです。(ということで、早速肩書きに加えております)

料理って、その人の人柄が出るなって最近思うんですよね。
味はもちろんのこと、器選びから盛り付けにもそうだし、そしてその後のレシピにおいても。
クックパッドでも、作り手に対して優しさを感じるレシピってあるんですよね。
神は細部に宿る、まさにそう。
私もそんな優しさに溢れるお料理を作っていきたいなって思います。

平野レミの自炊ごはん表紙(小竹撮影)

発売された新刊、「平野レミの自炊ごはん
和田さんが天国に旅立ち、未亡人になった自分を、「味望人(味を望む人)」と呼び、同じ境遇の人や、一人暮らしの人のために、一人ぶんでも面倒なく、ちゃちゃっとできる簡単なお料理を紹介して、自分のために楽しく料理してほしいという思いを込めて作られたそうです。

レミさんの定番料理「食べれば角煮」がさらに進化して簡単になり、新作のすいとりパスタ(少なめの水に具材を入れて、めんで吸い取らせて作るパスタ)もあり、最高のレシピ本でした。

あー本当に楽しかった。



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