スマ免1日コースで二級小型船舶操縦士免許を取得するまでの話
釣りを趣味とする私は、以前から船舶免許に興味があった。しかし、取得費用と、免許を取っても本当に使うの?という問いに自信をもって答えられずにいた。
しかし、昨年からハマったブラックバス釣りで、免許不要艇しか乗れない不便さを痛感したことで、年明け早々に小型船舶免許取得を決意した。
この記事は、二級小型船舶操縦士免許の取得を検討している方におくる、私の二級小型船舶操縦士免許の取得記である。
どの種類の免許をどこでどうやって取るか
正月休みにコタツ中、で私はスマホでヤマハボート免許教室サイトを眺めながら悩んでいた。
小型船舶操縦士免許には「一級小型船舶免許」「二級小型船舶免許(海岸から5海里まで)」「湖川二級小型船舶操縦士免許(海で乗れない)」「特殊小型船舶免許(水上オートバイ用)」の4種類が存在する。
私は普段、湖のブラックバス釣りと、海での青物ルアー釣りがメインなので、「二級小型船舶免許」を受けることにした。一級は、今後必要になったときに二級から昇級できるので、二級で問題ないと判断した。
次にどこで試験を受けるか考えた。
大きく分けると、独学一発試験で取得するか、ヤマハボート教室などのスクールを利用するかの2つの選択肢がある。
YouTubeには「小型船舶免許を独学で取得」というチャンネルがいくつもあるので、器用で要領の良い方であれば独学で取得できるのだと思う。
ただ、私は、運転の才能が乏しいことを自覚している。普通自動車免許でさえ取得に苦労した。なので、金額は高くなるがスクールを選択した。
そもそも、免許取得後にボートに乗るにはレンタル料金or船舶購入費用が発生するわけで、免許取得の数万円に抵抗感があるお財布事情では、今後のボートライフに自分はマッチしないと考ていた。
最後に、どこのスクールに通うかだ。色々なスクールのサイトを見たが、仕事の合間で取得できることを考えヤマハボートスクールの「スマ免1日コース」を選択した。
これは学科試験の勉強はスマホやPCからオンライン学習を行い。実技講習は試験日当日に詰め込むというものだ。
スクールに何度も通うのが仕事上困難ということもあり、1日コースを選択したが、他にも、実技講習と試験が同じ日であれば、短期記憶で試験を乗り切れるだろうという理由もあった。
学科試験の勉強を始める
申込初日から、ヤマハボートスクールのスマ免サイトから学科勉強は開始できるが、申込から数日後、家にヤマハボート教室から郵送物が到着する。
その中には「プラスチックのバッグ、必要書類、実技の教科書、ロープ」が入っている。
アドバイスとしては、郵送物が届いたら、すぐに内容を確認して欲しい。
そして、期日までに郵送しなければいけない「書類」「証明写真」「住民票」を早々に返送することを強くお勧めする。
返送しなければ受験票を試験日前に貰うことができず、試験が受けられなくなる。
私は期日ギリギリになってしまい、非常に焦った。
さて、ここからは私の学科試験について紹介しよう。
すでに述べたように私は運転の才能が乏しい。更に、記憶力や要領も悪いので、試験日までの約1か月間、計画を立ててコツコツと学科試験の勉強を行った。
なお、学科試験は大きく3つの科目に分かれており、一般常識問題が多い「小型船舶操縦者の心得及び遵守事項」、航行に関わる「交通の方法」、メンテナンスや天気など知識を問う「運航」だ。
勉強時間は1日に30分から1時間と決め。
試験までの1か月間、このようなスケジュールで過ごした。
第1週目:全科目の学科講習を読む、聞く、気になる単語はメモる
第2週目:練習問題をひたすら解く、間違ったら学科講習を読み返す
第3週目:練習問題でほぼ満点を取れるようにする&YouTubeで船舶免許系の動画を見る&ロープワークの練習
第4週目:スマ免にある試験シミュレーションを受ける&ロープワークの練習&空いた時間に暗記対策
この学習スケジュールの良かった点や反省点は
<良かった点>
・コツコツ勉強したので自信がついた
・船舶免許系のYouTubeを勉強中盤で見ておいて良かった。試験直前に観たら混乱していたかも
<反省点>
・ロープワークは比較的得意だったが、「まき結び」と「本結び」など、似ている名前に混乱したこと
・家にクリートが無かったため、クリート止めを練習しなかったこと
講習時に教えてもらったが、自転車の空気入れや、ハンガーをクリートの代わりに練習するとよい
・郵送物に入っている実技冊子に書いてある「トラブルシューティング」を暗記することを忘れていたこと
必ず実技で聞かれるので、「トラブルシューティング」の暗記は必要だ
二級スマ免1日コース当日
会場や時期によって異なるかもしれないが、私はこんな試験当日を過ごした。
集合時間は朝8:30。
余裕をもって15分前に、会場のヤマハボートオフィスの会議室に到着。今回の受験人数は10名ほど。
時間になると、ヤマハボートスクールの教官の方から、講習の流れについて説明があった。
その後、すぐに生徒2人に対して教官1人のグループに分けられて実技の講習が始まる。
マリーナに到着すると6メートルほどの講習用のボートが係留されている。
実技講習を受ける数グループは、お互いの実技講習の邪魔にならないように、あるグループは係留された船を使って「点検」や「ロープワーク」を先に始め、私のグループは、さっそくボートに乗り込み出発をすることになった。
生徒二人で交代しながら。
周囲確認から微速発信、そして周囲確認。慎重に進む。
大丈夫そうだ。
しかし、それは勘違いだった。
緊張から確認を怠った私に、出発してすぐに教官のゲキが飛ぶ。
その後も、無我夢中で行った蛇行や救助はことごとく失敗して、教官に怒鳴られる。そして、またテンパって失敗して怒鳴られる。
水の上なのでボートは急に止まれないし、ハンドルを切ってもすぐに曲ることができない。頭ではわかっているけど運転の具合が分からず、怒鳴られる。
このまま、最悪な状態で講習が終了するかと思われたが、後半は少しづつ操作に慣れ始め、着岸と離岸に係留。ロープワークや点検では、教官に褒めてもらえることもあった。まさしく飴と鞭だ。
普段の生活で、最近は”怒鳴られる”機会が無かったので、大人げなく終始委縮してしまった。だからこそ、この厳しい講習は良い経験になったし、なによりも、なんとしてでも合格して、二度と実技講習を受けたくないと心から思えた。
「昼休憩のあと、13時から実技試験が開始されます。10分前にはこの会議室に戻っていてください。」
講習の前の説明でそう告げられていた。今日は時間が経つに従って風が強くなるようなので、学科試験より先に実技試験をやるそうだ。
鬼の講習の後、教室である会議室に戻ると。時刻は12:50。
お昼ご飯を買う時間もなければ、食べる時間もない。
実は、朝も早かったので朝ごはんも食べていなかった。
もし、お昼を必ず食べたいという人は、会場に来る前にコンビニなどでカロリーメイトのような軽食を買っていくことを強くお勧めする。
私は、我慢することを選んだ。
13:00になると、ヤマハの教官ではなく一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会の方に代わる。
まずは身体検査。実はこれも立派な試験の一つだ。落ちるとこの後の実技も学科も受けられない。眼鏡やコンタクトレンズは必ず適切な度数のものを着用する必要がある。
10分ほどで身体検査が終了。いよいよ実技試験だ。
講習と異なり、1人の試験官に3人の生徒が同じボートに乗船する。
試験の内容は、講習で教わった通りだ。
しかし、2つだけ大きな違いがある。
1つ目は、試験官は怒鳴らない。
おかげで私は非常に落ち着いて実技試験に臨むことができた。しかし油断はできない、怒鳴られないということは、私がどんなに誤った行動をしていても指摘してもらえない。減点になるだけだ。
2つ目は、風が出てきたことだ。
とにかく風で船は簡単に流される。特に救助や着岸の際は要注意だ。早め早めにハンドル操作が必要だ。
実技試験終了。
15:00過ぎ。実技試験が終わったグループから会議室に到着。自分の試験番号が書いてある場所に着席する。
学科試験の開始だ、学科試験は他のマークシート形式の試験とさほど変わりはない。
ただ、試験開始から15分間は着席する必要があるが、それ以降は、終了した者から退出可能になる。
私は、回答の見直しも含めて30分ほどで回答終了。退出した。
そして、そのまま流れ解散になる。
試験終了だ。
結局、会場の最寄り駅を出るころには16時過ぎになっていた。
一日がかりだ。
最後に、スマ免1日コースで二級小型船舶操縦士免許を取得しようと考えている人に贈る試験当日のまとめとしては、
・朝ごはんは食べたほうがよい、お昼食べる時間はほぼない
・スマ免1日コースは空き時間がほぼない、暇つぶし道具は必要ない。
・当日の空いた時間に暗記をしようと思っているなら、改めたほうがよい、繰り返しになるが、当日は時間はない。
・ボートの操船は難しい。慢心せず。素直な姿勢が大事だと感じた。
・YouTubeや記事で、二級小型船舶操縦士免許の取得は「超簡単」と書いている人がいるが、私は難しいと感じた。事前にしっかりと勉強と準備をすべきだし、初めてのボート操船は想像していたより何倍も難しい。
これが、私がスマ免1日コースで二級小型船舶操縦士免許を取得するまでの軌跡だ。この記事が、少しでも、船舶免許取得を考えている人の役に立てばうれしい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?