『37歳初めての就職』
今も昔もずっと歌が好き。ギターも好き。
今の方がよっぽど歌もギターも上手いのに。
音楽家になる夢は叶いませんでした。
生活の為のアルバイト。
何か生き甲斐が欲しくて始めたリメイクの洋裁とかお菓子作りとか。
それだけでももちろん幸せだとちゃんと分かってたけど。
何も叶えられなかった自分には自信が持てなかった。
どうしたら自分の中で成功だと思えるんだろう。
そんなことばかり考えてた。
というか頭から離れなかった。
何かにちゃんとトライしたい。
好奇心は旺盛だし。
声がかかれば何だってした。
だけどそれは、嫌になったら辞めりゃいいって思ってたから大したことはなかった。
どこに行ってもそう続かない。
満たされない。
就職したことのない私をなぜか自分が一番卑下していた。
世間からはみ出た生き方してきたのに。
そのことがずっと引っかかってた。
就職したら。
趣味の時間は消えるかもしれない。
社会人とはみたいな型にもハマりたくない。
そう思ってずっと逃げてた。
でもいつも、所詮サラリーマンだからなんて言う人に憧れたりしてた。
夢があるっていいねって言ってくれるそっち側の人には私は時にキラキラしてたのだろうか。
でも私は同じ眼差しでそっちの芝生を見ていた。
ちゃんと働くってえらい。
そして今。
随分と悩んで。
そして割と過酷な環境の会社に就職して丸2ヶ月経ちました。
田舎の社宅で一人暮らしでの社会人スタート。
就職も一人暮らしも始めて。
大嫌いなスーツは大嫌いだった制服みたいで。
朝礼とか社会人とはとか私の持っていない別の人格を要求されて。
3日で嫌になったけど。
3日目にはもう、別の自分だと思うことにした。
そして出来上がったのが。
おしとやかな吉野さん。
まったく言われたことのない。
真逆のキャラが出来上がった。
おしとやか?!!!笑
やってんだよそれ。
とか思いながらも慣れたら随分と楽で。
でもそんなんでやってたら今度はぶりっ子だと思われて男に媚を売ってると思われてるらしい。
私のことをどのくらい分かったつもりでそんなこと言うんだろうね。
愚かだなぁ。
今はぐっと堪えて勉強して戦える武器を育ててるところ。
てめぇら全員、返り討ちだ。
と思いながら笑ってるのよ吉野さんは。
怖いでしょテヘ。
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自分らしさを消されるのが大嫌いだったはずなのに。
個性を出す方が疲れるという心境にまでなった。
これ、何人目の私なのかな。
音楽家の私。
お菓子を作る私。
心の中の私。
自由な私。
社会人の私。
最初の1ヶ月目は頑張ってる自分が好きだったけど。
毎日残業。
体力も精神も削られて。
自分に浸る時間はない。
大好きな料理をする時間はない。
酒は飲んだだけ疲れるからあんまり飲めなくなった。
ギターも弾けず、ど田舎の真っ暗闇の帰り道、山に向かって歌うだけがせめてもの癒し。
何のために頑張ってるのかなとか。
思う。
孤独な田舎で仲良い人も居ない。
みんなは愚痴でも何でもよく喋ってる。
私は愚痴を言う相手は居ない。
それなのに愚痴を言われるって何なんだ。
てめぇら暇だな。
と思いながらニコニコ笑う吉野さん。
ポイントはしっかりと目尻に皺を寄せていつでも笑うの。
あー気持ちの悪い私。
副音声みんなに聞かせてやりたい。
でもまぁ、とりあえず笑ってりゃいい。
バカにしてろ。
バカども。
愚痴は言わないと決めた。
自分が下がるから。
ここでは言わない。
誤解もされる。
よく分からない陰口は一番凹む。
でも反論はしない。
ここにきた理由は自分に自信を持つためだから。
見ててください。
って思ってる。
今は何も言わないでぐっと我慢。
でも私は上司のいいなりになんかならない。
自分のやり方で出来ないなら意味がない。
社畜になりにきたわけじゃない。
体現するためにきたの。
弱虫社員も戦わないで文句言ってる奴らも全然好きじゃない。
どこ行きの列車に乗ってるかは分からないけど。
幸せには近づいてるはず。
こんなに体がつらくて。
泣いてばかりなのに。
何でだろうね。
それでもきっと何かがあると思ってる。
今はただ日々を重ねていく。
もっと楽なのに勝手に傷ついたり病んだりして色んな仕事を辞めてきた。
今は辞めても正当だと言えるくらい過酷業務。
それなのに私はここにいる。
たまには逃げれない場所にいるのも良い。
過去の私と未来の私のために。
私は今本当に私のために今を生きてる。
待っててね。
未来の私。
そして待っててね。
私を軽んじた最低な方達。
吉野さんの戦いはつづく…
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