ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム -厄災からの復興-

先日、ニンテンドースイッチの最新作、ゼルダの伝説ティアーズオブキングダムをプレイし始めた。未だストーリーは少ししか進んでいないが、気になったことがあった。

前作のストーリーの中心となっていたのがシーカー族の存在である。シーカー族は遥か昔、高度な科学技術を有し、栄えた文明だ。文明は滅んだものの、彼らの遺跡や科学技術の断片は残されており、それらを駆使しながら厄災を倒す、というのが前作のプロットとなっていた。

今回私が気になった点はマップの入手方法の違いだ。前作、ブレスオブザワイルドでは、各地に点在するシーカータワーで周辺の地理情報を凝縮した一粒の水滴を主人公リンクが持ち歩くタブレットに落とすことによってマップを手に入れていた。古代シーカー族の技術力が窺える描写だ。

今作ではシーカータワーは登場しない。代わりにリンクを地上にある装置で上空数百メートルまで跳ね上げるのだ。そして、タブレットで地上の様子を記録し、それがマップとなる。その上、タブレットは地上にある装置と有線で接続されている。

明らかにダウングレードしている。

私は少し落胆した。こんなもんかい任天堂はん。思わず下手くそな関西弁が漏れてしまった。しかし、しばらく考えると腑に落ちた。これはハイラルの復興を象徴しているのだと。

現在のハイラルの科学技術はかつてのシーカー族に及ばない。前作ではシーカー族が残したオーパーツの使い方をなんとか解明した。だが、それは使用方法を解明したに過ぎず、その根底となる基礎的な技術、それから、その応用方法までは分かっていなかった。

前作では反乱を始めたガーディアンによってハイリア人は滅ぼされかけた。仕組みが分からなければ反乱を止めることもできない。今作では仕組みを少しだけ理解し始めている。リンクを空中に発射する装置にはシーカー族が作ったガーディアンの足が使われている。古代シーカー族には到底及ばないものの、科学技術の進歩が窺えるのだ。そしてそれはハイラル王国の復興の証でもある。100年前の厄災を乗り越え、徐々にかつての王国の姿を取り戻そうとしているのだ。

ハイラルのさらなる繁栄を祈って、再びガノンの手から王国を救ってこようと思う。それでは。


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