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淡刷色数増(あわずり いろかずをます)

冷たい雨がしとしとと降り続けています。しかしそれは、冬の頃の厳しい冷たさではありません。この雨て潤った植物は、芽を伸ばし、花を咲かせています。雨で霞む風景の中に、春らしい淡い色がたくさんあります。ひと頃より色の数がずいぶん増えたように思います。

このような光景に出会うと、水の国日本に生まれて良かったと思います。この淡い色それぞれに細かく色の名前を付けているのも日本人ならではでしょう。面白いことに、これは写真に撮ってしまうと大した景色ではないのです。人間の目の焦点を合わせる構造がすごいのと、視覚以外の感覚も感じられるからでしようね。

さて、この「淡刷色数増」は、ネイチャーゲーム〈私の暦〉で作ったものです。七十二候になぞらえて、今の季節をいま感じたままに漢字にした、「マイ七十二候」なのです。淡い色を出すのが得意な印刷機がまた色の数を増やしたイメージを書きました。

ところで、本物の今日の七十二候は「雷乃発声」(かみなり すなわち こえをはっす)です。雷が、遠くで鳴り始める頃ということのようです。そういえば、この前雷が鳴っていました。季節は繰り返すのですね。

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