木のセリフ

木が何と言っているのか注意深く観察してみましょう。いつも見る木を、じっと立ち止まって、何を呟いているのか感じ取るのです。そうすると聞こえてきます。

しかし、「木の声が聞こえる」などと言うと、もう変人扱いですね(^^;; 「森と会話する少女」ってことになると、メルヘンの世界です。そう、実際に声が聞こえるわけではなく、空想の世界です。

でも、よく見てみてください。間違いなく何かを呟いています。いつも通る散歩道で、ひときわ目立つ木があります。大木ですが、幹が複雑に絡まっていて、斜めに立っています。これまで多くの多難があったのでしょう。

その木は人を寄せ付けない雰囲気に満ちています。「なんだよ！近づくなよ」とでも言っているかのようです。一方で、茂みの奥の可憐な白い花は、「こっちだよ〜」と喜びを表しています。朝の太陽を前に背伸びをしている木もあります。

自然にあるものが何と言っているのか観察しながら散歩してみましょう。口々にセリフを呟き、賑やかな散歩道になります。気持ちを外に向けることは、「いま」に生き、感性を高めてくれます。