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緑のおじさん⁈

寒い季節になると思い出すことがあります。ある雪の積もった研修施設での朝、ちっちゃなおじさんが出たというのです。しかも数人。木の下から姿を見せ、林の向こうに消えていったそうです。

オトナの冷静な目から見ると、それは作り話ということになります。しかし、それは固定観念かも知れません。現に、「小さいおじさんがいるらしい」と訊くと、子どもたちの間からは、「知ってる」とか、「見たことがある」という、目撃情報まであるそうです。中には「緑色だった」という具体的な情報さえあります。

そのおじさんたちは、その年の節目節目で、ガーデンパーティーを催すそうです。その会場への道しるべや場所のヒントが自然の中に仕組まれています。それを辿って行くと、そこには美しい庭が広がっているそうなのです。

その年の秋ごろ、長崎市郊外の学童保育を訪ねました。穏やかな秋の陽光が気持ちのいい日でした。子どもたちに、「今日は小さなおじさんが庭でパーティーをする日だ。探しに行こう」と言うと、もうノリノリです。高いところに上がったり、虫メガネで細かいところを観察して道しるべを見つけようとします。

その日に見つけたのは、サザンカの花が一面に散り、香水のような華やかな香りが覆った一帯です。絨毯を敷き詰めたような庭は、とても美しく、しばらくそこで過ごしました。誰かおじさん見た?

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