反射インターネット日記 2023.1.31

 昨日就職どうなるかな〜という話をデイケアの面談でしたら夜全く眠れなくてウケた。赤ちゃんくらい外界からの刺激に弱いな私。
 気持ち的にはなんとでもなるか……なんだけど、こうもテキメンに身体に現れると笑ってしまう。
 気持ちは平気そうでも心の方は正直だぜ……って山賊に言われてしまう。山賊カウンセラー、どんな波瀾万丈な人生があったらカウンセラーから山賊になるんだ。山賊に身をやつしてから取得した資格だったらすごいな。望まない山暮らしなんてみんな辛いものがあると思うし、仲間の山賊を癒してやってほしい。

 「回転寿司の迷惑行為 性善説限界か」という見出しの記事がTwitterでバズっていた。

 ネットニュースが来場者を増やすために扇状的な見出しをつけることはよくあるが、それも極まってきたな〜と感じる。

 こういう見出しって中身を見るとせいぜい数文しかそんなことを書いていなくて、残りはずっと真面目な記事だったりすることが多い。ネットメディアも商業活動なので特に目を引く部分を抜粋してアクセスを稼ごうとするのも仕方ない面はあると思うのだが、当然誤解の多い手法で記事の筆者は気の毒だなと思う。
 ちなみに記事の本来のタイトルは
『回転寿司の「迷惑行為」なぜ起きる? 専門家が指摘する「機械化の弊害」とは』だ。長年、業界を見つめてきた回転寿司評論家が出てきて、一体何をする人なのか分からなくて面白かった。

米川伸夫さん。
箸の情報はギリギリそんなこと言わなくていい


 そもそも性善説って人は善性を持って生まれるが、環境や状況であっさり悪を行ってしまうので教育が大事だよって話だと思うんだけど、ネット上だと「他人を信じること」という意味で使われる場面が多い。
 その意味だと他人を信じることと信じないことなら当然損をする回数が多いのは騙しに抵抗手段がない前者ということになるので、目に見えた損を指差してほら見たことかと馬鹿にしやすい理屈に改造されてて面白いなと思う。
 この改造は一種のストローマン論法なんだが、善と悪の二項対立の話に持ち込んで片方を素朴な論理に見せるのは上手いことやるなと思ってしまう。
 そういう意味ではこの見出しは他人を信じることの限界を示す決定的な証拠を回転寿司業界が見つけ出したみたいで面白い。
 理屈を極端に改造していくと簡単に論破のような状況ができる。というか世にある論破とされているものなんてほとんどが相手の主張の極端な改造なのではないか。


 見出しの過激さは単純なアクセス稼ぎだけでなく、方向性を持って扇動することもできる。インターネットをにはインターネット反射力がのすごい人たちが少なからずいるからだ。
 以前グリ下(大阪のトー横界隈)にいた子供の一人が福祉と繋がり、社会復帰をして今は大学に通っているというネット記事を読んだ。とても面白く読んだのだが、見出しに
「薬でパキるが流行 大阪グリ下」という1ページ目で少し触れられている内容を持ち出したせいで、せっかく良い記事だったのに(しかもその子が見る可能性は高いのに)案の定薬にハマることに怒り、彼らは社会的に不必要な集団だと切り捨てるリプライや引用が何百件もついていた。
 本来の記事の内容を全く見ずに見出しの言葉に怒っている人を見ていると、すごい奴らが潜んでいたものだぜ、と幽白の黄泉みたいになってしまう。
 Twitterでの多くの体験は、Twitterでバズってる情報ってあてにならないんだろうなと感じさせてくれる。

 起こったことはその瞬間にしか存在せず、それ以降に思い起こそうとしたなら切り取りがないことなんてあり得ないのだが、私たちはいつだって過去を現実と混同してしまう。現実ともインターネットとも距離を置いて、みんなで懐疑の世界に潜ろう。
 ✋ストップ ザインターネット✋

グリ下の記事。いい記事なのでぜひ

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