人生初の結婚式参列
先日人生ではじめて友人の結婚式に参列した。
友人とは古い付き合いで知り合って20年になる。
同じマンションに住んでいたことがきっかけで仲良くなり彼女が引っ越してからも節目の年に細々と連絡を取り合っていた。
彼女が入籍して少し経った頃に久しぶりに2人でご飯を食べに行った。少し遠慮がちに結婚式の招待状を送っても良いかと聞かれたのでもちろん!と了承した。
彼女は小学生のころの幼馴染で中学からは異なる進学先に進んだ。頭の良かった友人は中高一貫校へ、わたしは地元の公立中学に進んだ。
彼女が招待状の件を遠慮がちにたずねた所以はここにある。結婚式に主に招待されるのは彼女の中高の友人と職場の同僚。わたしの知り合いはほとんどいない。
彼女の晴れ姿を見たいのでそのあたりは承知で参列した。
当日、実は人生初の結婚式参列だった。ヘアアレンジのサロンを初めて予約して自分じゃできないクルクルの髪型にしてもらった。会場にたどり着くと受付を待つ若い人たちのグループが点在していた。覚悟はできている。端でひっそりと受付時間をまった。
聞き耳を立てているとやはり中高の友達ばかりのようで久しぶり!とか今何やってるの?等の近況報告をしていた。NPO法人に所属していてアフリカにいるため参列できない人がいるという話が耳に入り頭がいい子たち近況報告すご〜となっていた。わたしの周りの最近の噂話、退職、破局、転職の話しか出てこないよ。
知らぬ人たちの近況に詳しくなったところで受付が始まった。孤独を感じ始めたところだったのでホッとしながらご祝儀を片手に向かう。
ご祝儀と引き換えに披露宴の席順をもらった。
わたしの周りに座る人たちは友人の口から聞き覚えがある名前が多く中学時代からの友人の席に混ぜてもらっているんだろうとおもった。
受付が済んでから結婚式が始まるまでも少し時間があったので席順と披露宴の料理のメニューを眺めながら柱と同化することにした。
息を潜めるわたしの耳に若い女の子たちの声が聞こえてきた。
「鈴蘭ちゃんって誰だろう?他は全員わかるんだけど」
「わたしも知らないな〜」
わたしの名前だ。
わたしで〜す!と決めポーズつき勢いよく出るか?おしゃれしてるし。親から借りた30万のパール装備してるし。
そんな度胸はあるわけないので柱とますます同化することにして息を潜めてみた。
「弓道部にいなかったっけ?」
「いたかも〜!」
ごめんね。他校のバレー部なんだ。
見知らぬ弓道部部員で落ち着いたところでチャペルまで移動を促された。柱から人間に戻り向かった。
ヴァージンロードを歩く友人は綺麗だったし久々に見る友人のご両親も年を素敵に重ねていて涙腺が緩んだ。
心から幸せになってほしいと化粧が落ちないようにハンカチで抑えながら祈った。幸あれ!
披露宴はとりあえず友人の友人たちに初対面の挨拶をして酒を飲みおいしい料理に舌鼓を打った。
終始謎の女Xとして参列したが人の幸せな姿を見るのは良いな…としみじみ思った。
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