サイゼリヤありがとう

サイゼリヤが好きだ。
愛していると言っても過言では無い。
実家にいる時、近所にギリシャ建築物風のサイゼリアがあった。なんで郊外にあんな完成されたサイゼリヤがあったのだろうか。

仕事でめちゃくちゃに嫌なことがあり、久しぶりにサイゼリヤで飲んだ。
今の自分に1番ダメージが少ない飲み方だ。悲しいかな中小売企業勤めのわたしの給料は少なく、私は酒をとても飲む。今日みたいな日に居酒屋に1人で行ったものなら破産してしまう。
高校生の頃、サイゼリヤで酒を飲んで酔っ払っているグループを軽蔑の眼差しで見ていたことがある。今同じ大人になっていることはどうしようもなく哀しい。
あの日、軽蔑の目線に気がつきバトルワインボトルの栓を私の目の前に叩きつけた大人も今日のわたしと同じような気分だったのだろうか。

月曜夜、ひとりでサイゼリヤに来店したら隣席には同じように白ワインでチキンを食す1人の女性がいた。もしかしたらここはイタリアンバルなのかもしれない。
前菜２品と白ワインのデカンタを注文した。
白ワインに合うモッツァレラトマトと蒸し鶏の香味ソース。とても合うけれどさっぱりした味わいに今はなきフリウリ風フリコが懐かしくなる。また復活しないだろうか。チーズとじゃがいものもったりした感じが大好きだった。
悩んだ末にタマネギのズッパも頼んだ。
以前食べていた時よりも水分量が減りパンとチーズが増えて酒飲み向けになった気がした。
一口食べて、記憶よりも美味しくお酒似合い正解を叩き出したと思った。
否、しばらくして気がついた。サイゼリヤはすべてが正解なのだ。185ml200円の白ワインで犯された脳みそでそう思った。
サイゼリヤ、最寄駅にずっと存在してほしい。