インプットとアウトプットのバランス
「社会に出るとインプットとアウトプットが、ともに大切!」
いろんなところで、よく目にするフレーズです。
今さら書くまでもないと思われますが、念のためにはっきりさせておくと、
「インプット」は「input:入力」ですから、知識・情報を取り入れること、それに対して
アウトプットは「output:出力」なので、蓄えた知識・情報を何らかの形で外に出すことです。
インプットとアウトプットに対する姿勢が問われるのは、音楽を専門にしている私たちとて例外ではありません。
とりわけコロナ禍という特殊な状況下では、譜読みをしたり資料を調べたりというインプットにかける時間がたっぷりとれたはいいものの、逆に人々を前にしての演奏という、ある意味で最も大切なアウトプットの場が、極端に減るという現象が起こってしまいました。
常々、インプットとアウトプットのバランスをとることが大事だと思っている立場からすると、これはかなりゆゆしき事態。
せっかくインプットしたものも、アウトプットに移せなければ、それは意味がないとまでは言いませんが(特に知識欲は、多分に自己満足的な側面もあると思うので・・)、やっぱりもったいないですよね!
私は5年ほど前から、日本に一時帰国した際には演奏会に加えて、一般向けの講座をはじめとする様々なアウトリーチ活動を行っています。
自分の企画する演奏会のプログラムノートを書くことと並んで、これらのアウトリーチ活動もまた、私にとっての貴重なアウトプットの場になっています。
アウトリーチは自分が主催して行うこともあれば、既存の団体に呼ばれて、単発で講座を行うこともあります。
↑ 日本チェンバロ協会に呼んでいただいた際に行った講座。
リュート・タブラチュア(その導入はこちらの記事で!)のお話を、鍵盤音楽に絡めてお話しさせていただきました。
↑ こちらの団体では今まで2回、マスタークラスと、レクチャーを担当させていただきました。
ちなみにここは日本で一番古い歴史を持つ(1972年創立!)リュート愛好家団体。私なんかより、はるかにリュート演奏歴の長い方々がごろごろおられます。
これらの場所では必然的に、かなり専門的な内容をとりあげることになりますが、その一方でリュートやヨーロッパの古い音楽全般に、あまり馴染みのない一般の方向けのアウトリーチにも、近頃は力を入れています。
↑ 先月上旬に行った朝日カルチャーセンターのオンライン講座。
スイスの自宅からZoomで参加させていただきました。
前回の帰国時にバリトン・トリオの公演を行った芦屋のアマックホールでは、小野文化財団の主催事業として「ルネサンス音楽への誘い」と題する連続講座を担当しています。
こちらは私の専門分野であるルネサンス音楽を、毎回違った切り口で分かりやすく紹介することをコンセプトとする企画で、毎回講座の合間に私のリュートの実演を含み、かつてはヨーロッパから歌手を呼んだこともありました。
コロナ禍で延期となり、結果的にほぼ2年ぶりの開催となる今回のルネサンス音楽講座の第4回のテーマは、
「ルネサンスの旅する音楽家たち」です。
上記のサイトから、以下に私の文章を引用させていただきます。
久しぶりの日本で開催する対面式の講座に当たり、私の「意気込み」も込めたつもりです。
関西とその近辺在住で、ちょっとでも内容が気になった方は、
是非この機会に講座にお申込み下さい!(お申し込みは上記リンクから可能)
とにかく今は地道に、ルネサンス音楽の愛好者の輪を広げていきたいと思っています。
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