論理のすり替え
若干、反応が遅れた。岸田総理の党首討論の以下の部分。
岸田首相、解散・退陣要求を拒否 「結果出すことに専念」―3年ぶり党首討論
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024061900677&g=pol
論点がズレてると思った。
改正政治資金規正法が「情報公開」の部分で落第点だと指摘しているのに対して、「政治にコストがかかるのは当然」だと切り返した。これはおかしい。
親が子供に「お小遣いあげたでしょ?なんでお金がないなんていうの?何に使ったか言いなさい!」と問い詰めた、として、「だって、部活にはお金がかかるのは、お母さんだって知ってるでしょ?」と、子供が切り返した、とする。「道具がどうしても必要なんだから、使っちゃってお金がないんだよ!」ってな感じだろうか。
いや、そういうことを言ってるんじゃない。お金がかかるのはわかる。何だって、本気でやろうとしたら、どうしたってお金はかかるものだと思う。それは、自営業をやってりゃ、いやというほど痛感している。
それを指摘してるんじゃなくて、「何に使ったかいいなさい!」という指摘であって、お金がかかるとかいう話をしてるんじゃない。
実は、「部活にお金がかかる」は親から金をせびる口実であって、実際には、ゲーセンで使っちゃったとか(今だったら、オンラインゲームで課金しすぎたとか、かな?)つい、友達と入場料がかかるところに遊びに行っちゃってお金を使いすぎたとか、説明できないことにお金を使ってしまったから、親に「何に使ったか言いなさい!」に一切説明できない状況なもんだから、「部活にはお金がかかる」としか言えないでいるガキ、と同じレベルの「党首討論の受け答え」だと、私は思った。
麻生副総裁の発言
自民 麻生氏 “政治活動にはコスト”パーティーなど理解求める
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240616/k10014482711000.htmll
誰からお金を受け取ったか、それを公開したくないという主張は、なぜなんだと思う。
いや、パーティーを開いて大勢の人から支援をいただくのは、相手の話を吸い上げてそれを政治に反映させるという意味では、別に構わないと思うが、その相手の名前を「公開しない」ことにこだわっているのは一体なぜなんだ、と私は思った。論理のすり替えでしょ?
要するに、本音は「こういう口利き、こういう目こぼしをして欲しい」という支援者が「お金を積みますから!」と「支援」してくれた、その相手に便宜を図った経緯が明らかになってはまずいから、パーティーその他の「政治資金」の提供を誰から受けたか、一切公開したくない、公開しないルールを死守する、と言うのが麻生発言の真意ではないかと私は思う。
金の使い道を公開したくないのは、実際にどこかの自民党政治家が逮捕されていたけれど、「票の取りまとめ」を依頼するのに一人当たり10万円とか現金をばら撒いて、そういう使い道をしなければ選挙を戦えない」という党の事情があるために、「どういうお金の使い方をしたか」という部分の「公開」をしなくてもいいようにした、というのが、岸田総理の「党首討論」での受け答えの「はぐらかし方」の理由ではないか、と私は思う。
要するに、何も変わってないじゃん、というのが、野党の指摘だと思うんだが、世間一般の支持者は、これ、
上に書いたのを、自分でそのままコピペすると、
「あぁ、そうだよね、部活にはお金がかかるよね。なんに使ったかは聞かないから、いくら必要なのかいいなさい。お小遣い、また、あげるから。」
的な感じで、自民党を容認しちゃうんだろうかなぁ。本当に、世間の皆様、自民党には優しいんだから、、、。私だったら、「ふざけんな!何に使ったか言わないんだったら、もう一円も小遣いはやらねぇ!」とか言いたいところだけれども。
ただ、税務署がこれくらい優しかったら、とっても嬉しいんだけれども。❤️
政治は「キレイゴト」じゃない。そんなことはわかっている。
例えば、私は「兵器のない世界」が理想だと思っている。だけれども、日本と国境を接している国が、平然と軍事進攻をする国であったり、なし崩しで他国の領海に居座って既成事実を作って誤魔化そうとする国であったり、そういう現状を見ると、「実力行使」のための武力は一定レベルは持たざるを得ないんじゃないかと、思えてならない。相手の状況によって、こちらも対応を考えざるを得ない、と私は考える。
特に、ウクライナを見ていればわかるように、相手国の領土からミサイルを撃ち込まれ、それを「迎撃する」だけでは守りきれない現状があるとしたなら、国民を守るためには、相手のミサイル基地を攻撃する、すなわち、他国の領土を攻めることがやむを得ないのではないかと、思えてならない。無論、「限定的」であるべきだと思うけれど、日本は「紛争の解決手段としての戦争は、これを放棄する」の部分が、「武力行使を放棄する」と解釈すべきなのか、私は法律の専門家じゃないからわからんけれど、国民の税金を有効に使って国民を守るためならば、相手国の領土であっても敵のミサイル基地を攻撃する部分は「自衛」として容認すべきではないか、と思えてならない。これも、「キレイゴト」じゃないことは、十分に理解している。
「戦争はやめましょうよ」と言って、素直に言うことを聞かないような国が、実際にあると思う。これだけでもう、完全に「キレイゴト」の「建前」が崩れている。私はそう考える。
だから、そのための「装備」の何と何にいくら必要か、そこが明確ならば、別に必要なんだからいいんじゃないかとは考える。
岸田さんやら麻生さんが言っているのは、そうじゃない。何にいくら使ったか、それを「公開しなくてもいい」ルールを押し通して、「公開しなくてもいいようにした」ところが問題だと、私は思っている。完全に、論理のすり替えだという気がする。
判断の難しいケースはあって、「本質的な目的」がどこにあるか、ケースバイケースの判断が必要なことも、現実には確かに多いと思う。
昔、ベトナム戦争の時の話題だろうか、ちょっと記憶違いがあるかも知れないけれども。
戦場カメラマンが、戦場での悲惨な光景を切り取って、全世界に写真として公開した。そのあまりの画面に、多くの人が「戦争の悲惨さ」を感覚として理解して、戦争がどれほど悲惨な行為なのかという理解を共有した、という「有名な一枚の写真」があったと思う。(どれだったか、、、。ググるときっと出てくるに違いないけれど。)
ところが、その写真に対して「こんな写真を撮っている余裕があったのなら、なぜ、直接その子供を助けなかったんだ」的な議論が湧き上がって、そのカメラマンが「人道的に問題がある」として責められた、という結果になった、確か、そんな感じの話題があったと思う。
確かに、その場の状況で、その報道パーソンが手を差し伸べて、「報道する」ことよりも「助ける」ことを優先していたら、その目の前の一人に対しては良い結果になったかも知れない。その一方で、世界中で多くの方々が「戦争の悲惨さ」を感覚的に理解し「反戦運動」を高め、その結果が、もしかしたら数万人、数十万人を救う結果につながる機会を失ったかも知れない。
おそらく、この場合の正解は「心を鬼にして、手を差し伸べるのではなく、ありのままの姿を切り取って世界中に伝えること」なんだろうと、私は考える。それこそが「本質的な目的」だと思う。
この場合、「目の前の一人を助けることを最優先しろ」というのは、やはり「キレイゴト」になるような気がする。より多くの人を助けることにつながる、自分の仕事に対してそうした「信念」があるならば、それが本質的な「目的」であるならば、多少の「キレイゴト」には目をつぶる。
「政治はキレイゴトじゃない」という一言は、こうしたケースに適用して欲しい気がする。それならば、結構高尚なニュアンスで受け取れる。
「また立候補するからさ、あんたが立候補する時も支援するから、頼むよ」的に、現金50万円を渡して、票の取りまとめを依頼する。違法行為だから表沙汰にはできない、つまり、金の流れを公表するような法律の改正は、絶対的に阻止する。要するに、あれだ。「バレなきゃ、何をやってもいい」と、そういう発想なわけですよね。
「いや、うちの親は、チョロいからさ、部活に金がかかるって言えば、いくらだって出してくれるから。」という悪ガキ。そういう甘い親も、世間には結構いるんだろうなぁ。そうは思いませんか?自民党、公明党支持者の皆様。公明党なんて特に多そう。「盲信」の一言。
「政治はキレイゴトじゃない」という一言が、自民党関係者から出た途端に、私はつい、発想がこっちにいっちゃう。
いや、自民党だけじゃないな。ちょっとググったら、あまりの多さにバカらしくなった。引用するのはやめます。
ただ、麻生発言のこの部分。
言葉を切り取ると、何とでもできる。(やっちゃいけない引用の、具体例です(笑))
麻生さん、そうですよね。とにかく、政治資金規正法については、野党に粘り強く取り組んでいってもらわないと、悪ガキがのさばるだけだな、とは思った。
以上
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