ガザの水問題

イスラエル自身が、水を潤沢に使える状態でないことは理解できる。が、食料にしても、水にしても、人が生きるために必要とするものを「武器」とした例は、過去にはいくらでもあるものの、現代のように、これほど世界が密接にリンクしてしまった時代では、イスラエル自身の「品格」を著しく下げるだけだと私は思う。

https://www.cnn.co.jp/world/35210708.html

この記事、日付は10月25日となっていた。慢性的な問題。

イスラエルは、意固地に周囲と協調することを拒み、自力で「国益」を維持しようとして現在に至っているように感じる。誰も頼らない。そのスタンス自体は立派だと思うが、結果として国益の維持のために「支配下」に置くパレスチナ人の生存権を常に脅かしてきたのが現実だろうと、私は理解する。加えて、周辺国とも喧嘩腰のやり取りしかできずに来たんじゃなかろうか。

端的に言って、もっと心を開くべきだ。心を開いてパレスチナと対話さえしていれば、あるいは、パレスチナ人の生存権や人権に目を向けていたなら、ハマスももっと違った存在になっていたと私は思う。
遅すぎることはないと思う。今、水や食料の供給を再開しなければ、パレスチナでの死者は、一桁増えて、戦闘による死者の数倍〜十数倍の犠牲を出す。そうした結果に導いたイスラエルの判断は、相当長い間、世界から批判的な形で引用され、「反面教師」として「悪しき実例」として参照される事例になると思う。

焼け石に水かも知れないけれど、「手押し井戸ポンプ」の援助は、JICAのお家芸じゃなかったっけか?アフリカなどには、ずいぶんと支援していたように記憶している。
ちょっとググると、日本では「手押し井戸ポンプ」など、ザクザク。

https://www.monotaro.com/k/store/%E4%BA%95%E6%88%B8%20%E6%89%8B%E6%8A%BC%E3%81%97%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97/

昔、我が家でも「手押しの井戸ポンプ」で井戸水を組み上げていて、小学校低学年の頃は、井戸水をバケツに「手押し」で汲み上げて、風呂桶に入れて一杯にするのは私の役目だった。(毎回ではなかったような記憶があるけれど。)現在の我が家は、電気の井戸ポンプで地下水を汲み上げているけれど、災害対応(長期間の停電)に備えて、電気ポンプの他に、「手押しポンプ」も備え付けようと、ずっと考えている。(まだ、行動に移してはいないけれど。)いざという時の実用性が、かなり高いのは間違いない。

この援助は、スピードが勝負だと思う。もし、私自身に数千万円、自由に使えるお金があったら、すぐにでも手配してモノと一緒に、なんとかパレスチナに足を運びたいくらいの気分なのだけれども・・・(時間単価3000 円でシステムのプログラムをヒーヒー言いながら書いている身分では、単なる妄想に過ぎないのだけれど・・・おっと、今、パスポートが切れてたけど。)誰か、動けないかなぁ。JICAみたいな政府関係の組織だと、ハンコを集めているだけで一ヶ月以上かかりそうだし、民間やNGO/NPOなど、どこか動けないだろうか。どれだけ多くの人が死にかけているか。

直近の報道を見ると、地下水系でも、上流のイスラエル側で汚染されて、ガザで汲み上げる地下水はかなり汚染されているけれど、ガザではそれを生活用水に使っているらしい。
化学物資による汚染には効果は期待できないけれども、雑菌などによる汚染ならば、植物の繊維、砂、バケツなどを使った「簡易濾過器」で飲用可能なレベルにまで水を浄化できる。30年前の「青年海外協力隊員」として書かせてもらうなら、海外に派遣される隊員にとっての大切な知識の一つだった。

私自身は、「目に見えて、枯葉が浮いていたり、色がついていたり」していた「汚れた水」で、お茶を淹れてくれて、それで料理をして食事を提供してくれたパプアニューギニアの現地の方に提供された食事や飲み物を、普通にそのまま飲食した。理由は単純で、一度沸騰させているから。不確かな記憶だけれど、その村に一緒に滞在してくれたテレビ西日本のクルーの皆さんは、手をつけなかったように覚えている。(違ったかなぁ、日本の国営放送(?)の某N×Kのカメラマンの方がご一緒した時、だったかなぁ・・・30年前のことなので、忘れた。なんだか、後者だったような気がするが・・・)
汚れた水も、そのままでは危険だけれど、一度沸騰させれば雑菌については対処できる。ただ、ガザの場合には燃料がないらしい。だとしたら、昔だったら植物の繊維、砂などを使った濾過が可能で、そういうのは、協力隊ばかりではなく、ボーイスカウトとかでもやっていないだろうか?で、より現地支援として実用性があるとしたら、活性炭や化学繊維などを積層化した「簡易濾過器」であっても、現地支援に役立つと思う。
流石に、RO(Reverse Osmosis)水を作るほどの水準は必要ない。とにかく、雑菌と、径の大きい浮遊物を濾過できれば、人間はそれほど弱い存在ではない。
それでも、援助はスピードが命。それほど数が必要な(井戸の数が千を超えてるとか、そういう)訳ではなさそうで、とにかく現地で使いやすい濾過器を用意する、これもJICAなど日本の援助の「お家芸」のような気がするんだが・・・
激しく汚染された水を飲まなければならない、そうした状況に置かれたなら、子供や、食料が不十分で体力も弱った方々などは、おそらく、バタバタと死んでいく。人間は、それほど弱い存在だとも思う。

と、書いてみて、絶望的なことに(わかりきったことなのに、忘れていたことに)気づいてしまった。
ボーダーが封鎖されていて、援助物資が現地に搬入できないらしい。
そうかぁ・・・

でも、それでも、封鎖が解けたなら、すぐにでも井戸水の確保に使える機材、それも、井戸の数が数百ならば、1億円も要らない、おそらく数千万円で手漕ぎポンプも、濾過器も、手配できるだろうと思う。それを、なんとか現地に届けられないものかと思う。
岸田さん、閣僚の不信任で、それどころじゃないか・・・。だとしたらJICA?どこか、日本の企業が動けないかなぁ・・・

もし、手遅れになったら、イスラエルによる「大量密室殺人」として、ルビコン川並のレベルで歴史に刻まれるだろうなぁ。
なんて書くことで、少しでも事態が変われば、とは思うんだが、こうして予感してしまう、っていうことは、起きちゃうっていうことなんかさ?

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