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文脈で考えた時、矛盾に気づく

私は普段コミュニティFMで働います。その他にも大学の非常勤講師として番組作りのワークショップをしています。その中で最初に話すテーマがあります。

ラジオ番組は”何に”向けて作ればいいか?

この問いを一番最初に投げかけています。

一番多い意見が「番組のリスナー」です。次に多い意見が「ラジオを聞いている地域のみんな」という答えです。

では、少し遡って、ラジオ局が明日開局というタイミングをイメージします。

まず「番組のリスナー」が存在していないことに気づきます。さらに、ラジオ局がなかったので「ラジオを聞いている地域のみんな」も存在しません。そして、「地域のみんな」が、ラジオの存在に気づいているとも思えません。

最初の日をイメージするだけで、今の選択に疑問が生まれます。

それともう1つ、新番組のパーソナリティさんがよく話していることです。

TwitterやSNSと連携した番組を行うことで地域外の人にも聞いてもらいたい

TwitterやSNSを使うことで地域外の人にも聞いてもらって”番組に参加してもらいたい”と言う方が多いのですが、自分自身が他所の地域のラジオ局の番組について1週間でどのくらいの時間考えていますか?と聞いた時に答えられる方はほとんどいません。

このように、一見、”正解っぽい選択や行為”も、文脈の中で捉え直すことで、すっきりとしない矛盾を抱えていることに気付くのです。

時間経過と共に経験を重ね、いつのまにか、最初を忘れてしまうものなのです。


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