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古民家に住んでいる話 14

大学の頃、住んでいた寮のロビーでコックリさんをやってみた事がある。クボタという奴がおり、「クボタに彼女はできますか」という質問で強引に「はい」に持っていこうとするクボタvs「いいえ」に持っていこうとする他数名というしょうもない力技が発生した。コックリさんはそういう遊びではない。

心霊スポットも何ヶ所か行ってみたが、話せるような心霊現象の体験は特に無い。霊感とやらもない、というかあまり霊や神仏の存在を信じていない。が、我々の世代の例に漏れず2chのオカ板や都市伝説は多少は履修している。ホラー映画はそもそも怖いと思えないのでゾンビ映画ばかり観ていた(50本程)。信仰心といえる程のものがないながら寺社や神話、民間伝承は好きだし、まあそんなもんだろうと思う。


さて、寮の同期で、とかく怪談が好きな奴がいた。サークルまたは個人で短編怪談動画シリーズを撮ってyoutubeに公開しており、俺も在寮時代に2回程出演した。朱猫守狸(すねこすり)という名前で活動している。TwitterのIDはSunekoSuri_dog。

そういう趣味がある人間にとって、人形が多数ある古民家など格好のロケーションである事は想像に難くない。当時俺が持っていた人形は1つだけだったが(今はこけしや和紙人形を除いて18個)、その頃から人形を使った話を撮りたいという話は聞いており、この家が整ってくるに従って益々撮影の気運高まるに至り、先日漸く来訪と撮影の運びとなった。

甚平と三脚を持参した朱猫守狸を家の内外の紹介や応接間でのエスプレッソ等で一通りもてなした後、線香を焚いた居間で早速撮影の話が始まった。元より日本人形を使った短編は撮ろうと決めていた為比較的早くから準備を開始できたが、1泊2日ならもう1本ぐらい撮れるのではないか、どうせならこの応接間でも1本撮りたい、という事で2本撮る事になった。短編であるからシナリオは簡単なものでよかった。

取り敢えず観てもらおうか。まずは応接間で撮ったヒトケン氏主役の「サロンの悪戯」。

次にミゾヲチ主役の「人形の怪」である。

2つ目はまさかのオチだが、これがずっとやりたかったらしい。


こうしてみると、なるほど怪談動画なんかを撮るにはかなり良いロケーションであるようだ。蝉の声がちゃんと入っているのも夏らしい。やはり怪談は夏だ。

「サロンの悪戯」は、柱時計の狂いに端を発する応接間の住人達による人間への悪戯である。柱時計は針と鐘の鳴る回数を合わせる調節ができるのだが、鐘の方を進めるというやり方しかできない為撮り直しに苦労した。エリーゼと名付けたオルゴール人形は中々役立ってくれた。シューベルトの「魔王」は蓄音機型スピーカーから流したのだが、なにしろスピーカーである為本体の小さいディスプレイが光ってしまうので動かした時は映していない。レコードを回すシーンだけ別に撮って編集すればもう少しわかりやすくなったかもしれない、などと今更気付く。電気もちらつかせるべきだったろうか。尚、煎れた珈琲の余りは後でスタッフが美味しく頂きました。

「人形の怪」だが、意図的に暗く編集されている為俺の顔もあまりハッキリとは映っていない。その方が俺も助かるし、日本家屋は暗い方がいい。冒頭のヒトケン氏は絶妙に怪しい人物役が似合っているが、俺はその日着ていた甚平そのままで出た。後ろで照明としてLEDランタンを持つような役割はヒトケン氏がやり、ヒカルは演出に若干意見を述べた為スタッフロールに名前が載った。リゼロのレムのフィギュアは朱猫守狸が知人から安く買ったものらしいが、撮影の後ゾ邸に寄付された。置き場所に困ったので仏壇に入れた。

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ここには飾り場所に困ったものを適当に置く事にしている。罰当たり? 知らんな!


朱猫守狸が滞在中に撮った写真も適当に抜粋して貼っておく。まず応接間。

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俺の部屋の床の間。

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下はレムちゃん追加ver。

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これはレムちゃんフィギュアを撮る朱猫守狸。オタク感が凄い。

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これは岸田メル氏パロのミゾヲチ。

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今回は主に人形で撮ったが、俺の部屋にはお面も多数ある。これでも何か撮れるかもしれない。庭の祠も使える気がする。あとは大家さんに貰った着物でも出演してみたいとも思うので、秋か冬頃にまた撮影できるといいなぁと思っている。お楽しみに。

然らば。

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