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古民家に住んでいる話 8

先日、殆ど手を付けていなかった蔵を探索した。前記事の後にフォロワー2名(鍋島と風兎氏)が訪ねてきたのだが、その折蔵を軽く見せた際に雛人形を見つけてしまった事に端を発する。

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一階部分は前の主が使っていたらしくそれなりに片付いていたが、二階にはほぼ登ってすらいなかったようで、物の多さに加え砂とも埃とも区別のつきかねる大量の汚れの為に俺も着手しかねていた。梯子を登るだけで服が汚れる。

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障子、長持、木箱等が散見できる。中身は大抵が膳、椀、掛軸、書類、布団や褞袍等。確認できる限り明治時代の物から残っている。幾らか挙げてみるとしよう。

まずこれは前述の雛人形。状態はかなり悪いが、蔵にあった人形なぞその状況だけで惹かれてやまない。対となるべき男雛も探して救出しようというのが今回の主目的である。

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次、木箱に入った複数の御神札。特に不思議はないが、これに限らず信仰関係の品は概ね近くの有名な寺社のものが多い。

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御神札入れにもぎっしりと詰まっていた。この家の昔の主は信仰関係の品のコレクターかと思わんでもない数だったが、こういうものなのだろうか。

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また多数の巻物が見つかり、さて何だろうと一応全て確認したが尽くが寺社の掛軸であった。神号も複数。何れも状態は悪く、物によってはほぼ全く絵柄が識別不能な程に変色していたり、開こうとすると破れたりするようなものもあった。

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教育勅語の写し。

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昭和初期の教科書。蓋付きの木箱に入っていた為比較的状態が良い。別に明治のものもあったが、中身は読めるものの表紙が著しく損壊し花が咲いたような破れ方をしており、また木箱の外に積んであった本類は埃で表面が茶色に染まっていた。

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大量の椀。撮らなかったが、何より多かったのは箱入りの膳であった。膳ばかりあれほど数がある必要はあったのだろうかと思わんでもない。

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長持の中に極上の人形が・・・・・・入っているといった江戸川乱歩の小説のような事はなく、基本的には布団や縕袍の収納という実に一般的な用途であった。その名の通り確かに長持ちはしているが、それでも流石に甚だ黴臭く、これを着ようとは到底思えない。

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少し珍しいものとしては、祭に使うのであろう飾り、旗の如き物もあった。

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紐で縛られた紙類も適当に見てみたが、戦前の京都の観光パンフレットや寺の案内、そして大量の保険関係の書類といったものであった。日記でもあれば読んでみたかった気もしないでもないが、別に自分の先祖というわけでもないしな。

これは蔵の2階に登る部分の蓋。名前がわからん。

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そうこうする内に、ようやく目的の物が見つかった。男雛である。

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女雛の方と違い蓋がまともに閉まっていた為、比較的状態が良い。

あとは、木箱の中で新聞に包まれていた為保存状態の良かった茶碗があった為こちらも救出した。

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徹底的に掃除すれば使えるようになるものだろうかと考えないでもないが、別段用途があるわけでもない。ただ、fate/stay night、腐り姫、人でなしの恋などに出てくる蔵という舞台には心惹かれる。衛宮士郎のように一晩程度蔵で過ごしてみたいという気もする。魔法陣でも描いて遊んでみようかしら。

然らば。

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