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U25「負け」を考える

結成1年の日に「負け」を考える

UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP に出場し、1回戦で敗退しました。

力及ばず、大変不甲斐ない結果に終わってしまい、とても悔しいです。
期待して下さった皆様、本当にすみません。
そして一緒に悔しがってくれた皆様、本当にありがとうございます。

申し遅れましたが、
1回戦敗退のネタを書いたMELT作家の宇城悠人です。

さて、U25についてお話したいわけですが、
大会の感触や結果については
もう少し後で嫌と言うほど振り返るとして、

じつは今日6月12日は、不条理コントユニットMELTが初めて作品を発表した日でもあります。

MELTはその日をもって結成1日目としているので、ちょうど丸1年が経ったことになるわけです。

イヤですね~。

1年記念日なのに、負けのことしか考えていません。

ハムスターとか触らせてよ。
落ち込んでるんだから。
誰かはやく持ってきて。

とはいえ、悪いことばかりではなく、
むしろこの1年間のMELTは恵まれすぎなほど
順風満帆であったと言えると思います。

#1『異能の人』
#1.5『僕のトマソン -夏-』
#2『眠る島』
#2.5『僕のトマソン -晩春-』

と4つも自主公演を打ち、
さらに先月は
憧れのコメディ劇団アガリスクエンターテイメントさんが主宰する
「新宿コントレックスFINAL」にも
出演させていただきました。

ほかにも多くの憧れた方々に
ゲストとして来ていただいたり、
観ていただいて「面白い」と嬉しい言葉をもらったり、
団体をはじめてよかったなと思うことがいくつもありました。

そして何より、
毎公演観に来てくれるような方に出会えたこと。
演劇をやっていてこれほど幸福なことはありません。

また、コントユニットながら
せんがわ劇場演劇コンクールの1次審査を突破するなど、
結成1年という間では身に余る思いをさせてもらいました。

じゃあなんで一回選で落ちたの?

知らないよ!
受かると思ってやってたんだから。
面白くなかったんじゃない!?!?

とにかく、
お笑いの壁は厚かったです。

もちろん演劇というものは素晴らしく
歴史的な技術の積み重ねもエグい芸術ですから
これからも演劇のフィールドでがんばっていきたいなと思うのですが、
それにしても2分間でお客さんの心を掴む技を競う
お笑いという芸能の難しさたるや。

出場した感触

正直に言うと、

決まりだな、と思ってました。

終演後も
通った気持ちでジョナサンに行きましたし
ネコ型配膳ロボットを使役しました。

ちょっと見てほしいのが
こちらのU25公式のツイートです。

このインタビュー受けた団体、
だいたい通ってるんですよ。

インタビュー=予選通過だと思っていましたからね。
そりゃこういう顔します。
「作家です」という顔をしている。

とはいえインタビューでも言っている通りで
普段10~30分コントをやっているので
2分で5人がそれぞれ笑いをとるネタにまとめることができて
嬉しかったというのが一番でしたね。

ネタを読んでくれないか?

とにもかくにも、
ネタを読んでくれないか?

そして、知恵を貸してくれないか?

これがU25当日にやったネタ「ハイジャック」の脚本です。

そして我々がやってみた上での振り返りはこんな感じ。

【よかった点】
・MELTらしさが出せた。
・さとうゆうき(CA)の役どころが映えた。
・以前『眠る島』ゾンビ台本で公開した際の長尺ver.よりも、不条理コントらしいオチを見つけることができた。
・「全員キリスト教に入れ!」「死刑制度に断固賛成!」「歯周ポケットを綺麗にしろ!」など、宇城の好み丸出しのセリフを入れられた。
・「お医者様はいらっしゃいませんか?」という呼びかけに対して、タイミングを揃えて全員そっぽを向くなど、動きのおもしろさを出せた。
・第一声で大声が出せたので、空気を作ることができた。

【足りなかった点】
・どうしても長尺ネタを短くした感が否めなかった。
・舞台数と練習量が足りず、安定感を出せなかった。
・ボケ数が少ないことを懸念していたが、むしろやってみると2分間では大きいズレを何度も突っ込むような、一つの切り口を鮮やかに見せる組み立ての方がよかった(仮説)。

さらに気づいたことがあれば、
noteのコメントでも、Twitterでも、
MELT公式HPお問合せ窓口でも、
どこからでも何か言ってもらえると幸いです。
全部見ます。

特に意見はないが
がんばってねというときは、
いいねやリツイートや配信公演を
観てもらえれば!

あと、一通り上記のようなことを考えた上で、
全部イヤになってまったく仕事が手につかなくなったので、
もう一本5人の2分ネタを書きました。

U25ゾンビ台本ということで、ここに供養しておきますから、
こちらも読んでもらえると嬉しいです。

これもどこかでやるつもりです。
2分間の戦いの厳しさを知りましたし、
そこに再び挑むためには
脚本の分野も、演出の分野も、演技の分野でも
できることがありますが、
まずは自分は本のレベルで、
必ずリベンジの糸口を発見します。

さて、と言いつつ、
ここまで2分間の勝負について思ったことを
お話してきて忘れていましたが、

じつはMELTは2分間の人たちではありません。
2分間で心を掴む演芸は本当に素晴らしい。
しかし一方で、「……え?」というセリフだけで5分やったっていいし、
それが面白かったらかなり豊かな時間の使い方だと思いませんか?

演劇というものへの期待と
演劇市場への絶望については
今さら僕が書き加えることもなく
多くの演劇人が語っていることで、

とにかく早く多くの人に知られたい、
知られなければ続けられない、という思いから
出場したお笑い賞レースでしたが、

本当に目指している瞬間は
より長い
引き延ばされた時間の中にあるということを
忘れずに書いていきたいと思います。

単独ライブ「僕のトマソン -晩春-」おもしろいぜ

さて、
一番伝えたいことです。

「僕のトマソン -晩春-」アーカイブ配信を見よう!!

MELTの真骨頂と可能性を見たければ、
こいつを見るんだ!!

これは自由型ですからね。
20分やってもいいし、
オリジナル音楽作ってもいいし、
VJとか入れてもいい。

そういう大会知りません??
デザインも音楽も文学もやっていいお笑いコンテスト。
それなら総合点で結構いいとこいけると
思うんだけどなあ。

しかし、大会がないということは、
新しいということだし、
誰にでもできることじゃないということだと思って
引き続き頑張ります。
(市場もまだないということだけど、
それはこれから無理矢理半身をねじ込んで開いていくとして)

そして「僕のトマソン」は、
番外公演であり、実験公演のフォーマットです。

まだ情報公開ができないので注目しておいて、としか言えませんが
次回の第3回本公演は、
これまでの実験の成果を詰め込んだものになりますよ。

本としてはまだ何も書いていませんが、
はっきりと宇城なりの文学をするつもりです。

まったく変わる可能性大ですが、
宇城がずっと書き続けている
自殺をテーマにしたスケッチを
スペキュラティブな形で料理できればと想像中。

ご期待下さい!

宇城悠人

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