【雑感】満員電車での人々の行動

「今年最も寒くなりそうです、交通の乱れが発生しそうですのでお気を付け下さい」
このようなアナウンスが先日の日曜日くらいから流れている。
昨年のクリスマス、我々の地域は雪が非常によく積もった、5センチくらいかなあ。

昨日、日中雪がチラつく。
これはヤバいかなあ、さらにひどくなるかも‥、ということで夜、予定よりも早く駅に向かう。

駅が普段よりも混みあっている。
電車が遅延している。
それだけではない。
強い風と合わさり、横殴りの雪が強くなっている。
その雪がホームにも流れてくる。

これはヤバイなあ、電車止まっちゃうのではないか。
電車か到着、皆が我先に乗ろうとする。
早く帰りたい、という心境だけではなく、電車が止まってしまうのではという不安から来る行動が垣間見える。
私もその電車に乗れたが、まあこのギュウギュウに乗るのは嫌だし、むしろ次の電車を待つ先頭で、自分だけ滑り込みたいという人達のエゴが生み出す行動を間近で見れるので、乗らずに待つ。

明らかにもう人が乗れない、私の位置からはそう見える。
一番窓際にいるサラリーマン、そこに若めの女性2名が足を入れる。
サラリーマンが押され、車内から「押すな、あぶない」との女性の声が聞こえる。
押すなと言っても誰も止められない。
唯一できるとしたら若めの女性2名が一度電車から降りること、しかし女性は降りない。
なんなら手をドアに伸ばし絶対降りないようにしている。

アナウンスが流れる。
「ドアが閉まります」
その時、おばさんが私の前を横切り、電車へ乗り込む。
隙間が無いぞおばさん。
若い女性が手を挙げて耐えている隙間にお尻から押し込むおばさん。

ドアが閉まる。
隙間の無い電車に収納されたぞおばさんも。
閉まったドアに張り付くおばさん、おめでとう、あなたのミッションは達成されたのでしょうね。

雪は強まり、本当に止まるかもしれない。
その電車に乗らなかった私はあの電車に乗れば帰れたのにな、と後悔するかもしれない。

しかし全く後悔は無い。
この火事場の人間描写を客観的に見て、感じて、考えることが出来た。

JRのオペレーションももう少し改善点があるのではないか。
乗車規制や入場規制をした方がよい危機レベルであったと思う。
とはいえ、規制をし制御することでエゴの塊の乗客が暴徒化する可能性もある。
限られた人員での限界を感じた。
となると、結局は一人ひとりの心の在り方の問題かな。
他人を思いやる利他の精神を持とう、よりも逆に利己の在り方、自分はどうありたいか、そっちを考えたほうが良いのでは。

15分後、次の電車が到着。
ホームは先ほどよりも混みあっている。
私は先頭だったので座席側に入る。
入口付近には先ほどと同様に混雑。
座席側には余裕がある。
もう一歩ずつ、詰めてあげれば良いのに…おばあさんが立っている、座っている女性が席を譲ろうとする、しかし皆、動けない。
おばあさんが大丈夫と断る。

このような緊急時に自分が率先して解決できる手段も行動力も持ち合わせていない。
「もう一歩中に言って―」
顔は見えないが男性の声が車内で聞こえる。
その声で人の塊が動く。
このひと言が出せる、この男性は凄い。
見習いたいと思う、ということは今の私に書けても出来ない。

自分の現在地を測る。
まずは電車を1本待てた、ここまでの自分。
己を知ることが次なる1歩に繋がると思う。

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