「大学における生成AI活用について考える」教育活動と大学業務の二つの観点から、FD・SDセミナーを開催
最近では、ChatGPTに代表される高度な生成AIの利用者が急増しており、大学においても、教育や業務での活用可能性とリスクなど、正負両面の影響が存在し、対応が求められています。また生成AIは日々進化を続け、情報をアップデートする必要もあり、それらの対応の難しさも推測されます。
大学コンソーシアムひょうご神戸FD・SD委員会では、昨年度実施したアンケートなどをもとに、加盟校から要望の高かった「生成AIの現状」をテーマにお二人の講師をお招きして、教育活動と大学業務双方の観点から生成AIの活用可能性と対応を考える機会を設けました。
まず、関西学院大学の巳波先生より、「AIが急激に進化する時代に大学はどのように向き合うか」をテーマに講演をしていただきました。生成AIの登場による教育システムの危機、教育者の役割と大学の存在意義が問われている現状が提起されました。「どのような人材を育成するのか?」といった観点で生成AIの活用を考え、大学の提供する価値と生き残りをかけた自己の存在意義に、一人ひとりの大学人が向き合うことの重要性が熱く語られました。
九州大学の森木先生からは「大学業務の観点から生成AI利用を考える」をテーマに、生成AIの基礎知識の理解から、大学業務に活用するための具体的な方策に関する講義がありました。実務での具体的な生成AIの活用方法・プロンプト、ガイドラインの策定事例など、大学職員がリテラシーを高める視点を初心者でも理解しやすいよう、時に実践も交えてわかりやすく説明していただきました。
質疑応答では、講師と参加者の双方で文字をつかったコミュニケーションができるWebサービス「slido」が活用されました。参加者からは、自学の実情を踏まえた具体的な質問や日々の業務上の疑問点に関する率直な質問があり、講師陣から一つ一つ丁寧な回答をいただきました。
参加者からは、生成AIの活用に対して、大学での本務に役立つという感想や、自身の具体的な行動につながる意見も寄せられました。セミナー全体を通して、AIの活用と大学の存在意義について、危機感をもちながら今後どのように活用していけばいいのかを考える機会となりました。