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読書記録

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読書の感動を言語化する練習です。
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#読書記録

【天象の万葉集】 https://www.manreki.com/publications 星、月、霧など天体や気象現象をテーマに万葉集を読み解く。 眩しい太陽や満天の星は、万葉集には意外に出てこないようだ。一方、雲や風や霧には繊細な表現が多い。 評論は専門的だが、引用歌を読むだけでも楽しめる。

【ハチミツとクローバー】 https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=4-08-865079-4 美大生たちの心模様(主に片思い)を軽やかに繊細に描く人気漫画。 豪快な美女・山田が特に素敵だと思った。明るくてピュアで、報われない恋も清々しく続けている。報われなくても好きでいられることが幸せなのだろう。

【量子力学で生命の謎を解く】 https://www.sbcr.jp/product/4797384369/ 生命の神秘を説明するために量子力学が必要だ!?夢物語のような仮説の数々を、権威ある物理学者と生物学者が本気で論じる。 出版当時(2015年)より人工知能の発達した今こそ読みたい。具体例や比喩が多彩だ。

【メテオ・スキャッター】 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8417306 文化祭で流星散乱通信を実演することになった天文部。アマチュア無線の免許をもつ主人公が電子部品と格闘する。「とーっても佗びしい白熱灯の」部室に、憧れずにはいられない。 陸上部の女の子への淡い恋心が爽やかだ。

【人魚の夏】 https://www.akaneshobo.co.jp/search/info.php?isbn=9784251044808 性別不詳の転校生の正体を僕だけが知っている。合唱コンクールを控えた教室、協調性の光と影。小学校の夏休み特有の切なさや爽やかさが活きる。

【されど星は流れる】http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488018405 短編集の表題作。 感染症により人と人が離れてしまった地球で、高校生たちが流星を探す。離れているからこそ複数地点からの観測ができるのだ。 天文学用語が多くて楽しい。

【白百】 https://www.yomiuri.co.jp/special/shiro/ デザイナーである筆者が白いものについて語ったエッセイが100並んでいる。 それぞれの白が私たちの心を動かすのはなぜか、自然科学の用語も交えながら理知的に語る。 モノとヒトが相互に影響を与えて変化していくことを改めて思う。

【星旅少年】 https://pie.co.jp/series/4858311/ かわいらしくも静謐な漫画。少年が旅するのは眠りゆく星々である。 暗闇の中の様々な光(星の瞬き、街の灯り、瞳の輝き 等)がモノクロでも見事に表現されている。 架空の雑貨等にも物語性があり、各コマの隅々まで楽しめる。

【晴れ、時々くらげを呼ぶ】 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000362704 海月のような透明感がある小説。 少年少女による世界への反抗、といっても恋愛や暴力といった怖い(?)手段は使われない。高校生たちの葛藤や成長を、くらげのように柔らかく活写する。 優しい人になりたくなる。

【ストレス脳】 https://www.shinchosha.co.jp/book/610959/ 感情は脳の生存戦略だ。ただし大昔の人類が生存するための。 …そう考えると、いつも何となく満たされない気分も別に仕方ない気がしてくる。こんなに恵まれているのに、とか自責する必要もないし、冷静に科学で対処すればいい。

【天使は奇跡を希う】 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167907259 もし教室にクラスメイトとして天使が紛れ込んでいても、その翼が見えなければ気づけないだろう。そうやって紛れ込んだ天使が抱えた願いとは…? 瀬戸内の景色の描写が美しい。読後感の良い、切なくて爽やかで軽やかな小説。

【生物記号論】 https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784876986910.html 形なき情報が生命の本質か……? 受容体とリガンドの相互作用といった分子レベルの情報伝達、 視覚・聴覚などの個体レベルの情報処理、 生殖という種レベルの情報伝達、 といった様々な生命現象に触れつつ大胆な論を展開する。

【ひとりぼっちのソユーズ】 https://books.shufunotomo.co.jp/book/b589627.html 画になる場面が多い。各章の名前も詩的で、装丁やイラストも美しい。本棚に置くと気分が良い。 少年少女の熱くも繊細な感情を描いた前半が好きだった。後半で話が壮大になり少し戸惑ったが、納得のラストではあった。

【ウタカイ 異能短歌遊戯】 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014241/ 少女歌人同士の恋愛やバトルが描かれる熱い小説。 この小説の中の歌会は、短歌という呪文を唱えて異能を操るバトルなのだ。 恋と歌どちらが先か?と真剣に悩んだりしつつ、両方に全力を捧げるヒロインが好ましい。