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#StevenWilson

最近聴いているアルバム2024.06

Pink Floyd 『Meddle』 (1970)私はこのバンドの特に『狂気』〜『The Wall』の4枚が大好きで、それらの音楽的完成度とストーリー性の両立は人間の仕業とは思えないし、Apple Musicのオールタイムベストの1位は『狂気』か『スリラー』以外あり得ないと思っていた(それが28位だったのを見て、2024年におけるこのバンドの影響力はかなり低いのだと思い知った)。 本作は「初めてクリエイティヴィティを獲得した」とメンバーが語っている通り、後の覚醒を予感さ

最近聴いているアルバム2024.05

今月はオルタナ気分。来月も多分オルタナ気分。 The Jesus Lizard 『Goat』(1991)Steve Albiniの音と聴いて自分が一番に思い出すのは『Surfer Rosa』でもなく『In Utero』でもなく、本作のスネアの鮮烈な響きだ。特に1曲目。何回聴いても脳天を衝かれる感覚がある。天井や壁にマイクを設置して部屋の中で反響する音も録ろうとした結果こういう音になったらしい。ギターも、ジャズギターやクラシックギターをやってきた人間によるものだけあって他のハ

最近聴いているアルバム2024.03

今月も学生時代に聴いていた懐かしいアルバムを再訪。もう完全に懐古オジサンになってしまった。温泉に入りたい。 The Pale Fountains 『...From Across The Kitchen Table』(1985)元から持っていた独特なポップセンスと歌唱力を、より明るく軽快な方向に推し進めた2ndアルバム。「中途半端に成長した結果かつての良さまで消える」というのはインディロックによくあるパターンだけど、これは違う。翳のある文学青年が翳を保ったまま、世間のしがらみ

最近聴いているアルバム2022.07

Washed Out 『Within and Without』(2011) チルウェイヴというより、ドリームポップとしての傑作だと思っている。当時はBeach House『Bloom』やWild Nothing『Nocturne』などドリームポップの傑作が出ていてそれらと同列に聴いていたが、群を抜いて好き。なのにそれらより振り返られることが少ないのは、チルウェイヴという短命なムーヴメントの代表作みたいに思われてる弊害だと思う。 ベッドルームの閉じたメランコリーと時間感覚が

最近聴いているアルバム2022.05

最近は仕事で脳がいっぱいいっぱいのため、未聴作品の発掘はせず、昔聴いてた作品ばっかり聴いている。こうやって懐古おじさんになっていくのかもしれない。 Arctic Monkeys 『Favourite Worst Nightmare』(2007) バンドサウンドの筋力増強と曲展開の可能性を探った作品。タイトでフックに溢れた前半5曲も良いが、"Do Me A Favor", "This House Is A Circus", "If You Were There, Bewar