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[試訳] ダグラス・ヒューブラー 1969

世界は物体で満ちている。どれも多かれ少なかれ興味深いものである。私はそこに何かを追加してみたいとは思わない。
私にとってそれよりも好ましいのは、ただ物事の存在について、時間的および/もしくは空間的な観点から言明することである。
さらに特定するなら、私の作品が念慮を向けるのは、直接的な知覚経験の彼方で相互的な関係を結んでいる諸々の物事である。
私の仕事は直接的な知覚経験の彼方にあるため、その認知のあり方は記録の体系に左右される。
記録は写真の、地図の、線描の、そして言語による記述の形態をとる。

D.H.

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原文:Douglas Huebler’s statement, 1969
初出:January 5 ― 31, 1969, published by Seth Siegelaub
和訳:奥村雄樹

図版:Douglas Huebler, ‘Duration Piece # 7’, 1968, 5-1” stickers (felt), 2 triangles (with common apex at Herald Square), New York, time: 5 years. Collection: Mr. and Mrs. William Owsley, Oxford, Ohio.

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