見出し画像

コロナ禍での邂逅・心揺さぶるパトス四重奏団

「パトス四重奏団〜心揺さぶるピアノ四重奏団・初の東京公演〜」に伺いました。(2022/01/11@板橋区立文化会館・小ホール)

パトス四重奏団は2019年結成の期待されるピアノ四重奏団。国内外で活躍するメンバーが集結し、現在日本を拠点に活動中。今回東京にて公演が初めて開催されました。プログラムはモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番ト短調 K.478とブラームスのピアノ四重奏曲第3番ハ短調 作品60でした。

ヴァイオリンの上敷領藍子さんは東京藝術大学音楽学部とオランダ・マーストリヒト音楽院を首席で卒業後、DUO・GRANDEなどを結成し室内楽でも活躍しています。ヴィオラは元大阪フィルハーモニー交響楽団首席奏者の木下雄介さん。チェロは米ルーセラン大学助教授を務める増田喜嘉さん。ピアノは東京藝術大学非常勤講師も務める𠮷武優さんです。

1曲目のモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番は出だしの端正な響きがコロナ禍の重い雰囲気から解放させる空気を会場いっぱいに作り出したように感じました。すべての楽器の響きが明瞭で、モーツァルトの音楽の深さが感じ取れ、室内楽の面白みが伝わる素晴らしい演奏でした。時に室内楽の場合ピアノが弦楽器を音量で圧倒してしまうことが多いですが、そのような場面は皆無。パトス四重奏団のバランス感覚に驚かされました!

2曲目はブラームスのピアノ四重奏曲第3番です。団体名にある「パトス」はギリシア語の「情念」に由来しますが、この団体のブラームスとの音楽的相性が高く、上敷領さんのリード、木下さんのヴィオラと増田さんのチェロの存在感、𠮷武さんの絶妙なピアノの演奏が音楽の持つ高揚感や寂寥感を描き上げとても感動的な演奏でした!
次回はどのようなプログラムを聴かせててくれるのかとても楽しみです。

▼パトス四重奏団
https://www.pathosquartet.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?