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検証の実際〜その5

現地検証の実際、4回目。
午前の流れを紹介した前回に引き続き、今回は午後の紹介です。

前回はこちら。

工場を見せてもらうに当たっては、検証側は非常に気を遣います。
立入禁止区域があったり、服装・手順が決まっていたり、機密保持上の制限があったり。特に、食品工場は大変ですね。キャップ・マスク・防護服の上、手洗い、消毒、エアシャワーは当然として、筆記用具の持ち込みも不可だったり。

最近は、スマホNGの事業所も多いです。一方、デジカメはOKだったりします。「撮影している」ということが明確であればよいのでしょう。スマホだと、録音他、様々なことができますし。

都度確認して撮影させてもらいますが、そうでない人間もいるということでしょう。性善説では、セキュリティは保てないのでしょうね。

このウォークスルー、気が抜けません。
算定の担当者は、現場の担当者ではありません。
算定担当者が作成した計画書には、現場の実態と異なっていることが、これまた普通だからです。

「使用量を日報で把握する」としている日報が無かったり、フォークリフトがバッテリーで無くガソリンだったり、芝刈り機が廃棄されていたり、計画書に記載の無い構内車両が存在したり。

「午後から検証が入るので、この時刻にはここにいてね」
といったアナウンスができていれば手間なしですが、そうでなければ...

ご理解頂けますよね。
事前の「かもしれない」準備の重要性が。

構内図を片手に敷地境界及び排出源を確認していきますが、「排出源」は、燃料(直接排出)と電力(間接排出)で異なります。

電力は、電力会社の取引用メーターを「排出源」と見なします。
ですので、メータの場所を案内してもらえればOKです。

他方、燃料は、実際に燃焼されている場所が「排出源」です。
ですので、蒸気であれば、ボイラー、さらに言うと、燃焼しているバーナーのある場所が「排出源」となります。

蒸気や乾燥空気を利用している、洗浄装置や乾燥機の場所に案内されることも多いのですが、そちらではないんですね。工場によっては、何カ所もあるかと思いますが、同一のボイラーから配給されていれば、ボイラー室の1ヵ所でよいです。

食品工場を延々歩かされそうになったこともありますが、つくづく、検証側の「お客様にはご理解頂いていない、かもしれない」を想像する能力が必要だなと実感します。

そうそう、樹脂の成形メーカーでは、成形機が複数台稼働していると思いますが、電動式はもちろん、油圧式も、エネルギーは電力ですから、排出源は取引用メーターです。また、圧縮空気を利用するエアツールなども、電力を使用しているコンプレッサーから配管されているでしょうから、同様です。

このあたりを抑えていると、見て回るヵ所も意外と少なくなったりするものです。特に、半導体工場や食品、医薬品工場などでは、外回りだけで済む場合もあり、飛躍的に効率化できます。

さて、敷地面積、排出源の数にもよりますが、17:00までに終了したいとすると、16:00までには、ウォークスルーから戻ってきたいところ。それから、複数人で実施した場合は、検証人同士発見事項を報告し合って、取り纏めます。(この時には、担当者に席を外して頂くこともあります)

その後、ようやく、クロージングミーティングへと移っていきます。
お互い、検証結果を共有して納得頂く場ですから、重要です。
次回のnoteでご案内します。


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