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SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、11月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2023年11月23日現在です。
前回はこちら。

まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。

気をつけないといけないのは、今年の23年1月31日に新しいコミットメント遵守ポリシーが発効しされ、7月31日に猶予期間が終了したこと。

今までは、レターを出したものの期限に間に合わなかった、あるいは、提出を断念した場合、ひっそりとダッシュボードから削除されるだけでした。なので、「とりあえず出しとくか」ということができました。

しかしながら、新しいポリシーでは、ダッシュボードに「Commitment Removed」と表示され続けます。そして、目標を提出し、承認されるまで、このような表示がされ続けてしまうのです。

The new policy makes it clear where companies have committed to set targets but then failed to comply. Not only does this increase transparency and accountability around commitments and eventual validation, it acts as a major disincentive for companies to make commitments without taking action.

「企業が行動を起こさずにコミットメントを行う大きな阻害要因として機能する」ことを狙いとした改訂なので、覚悟を持ってコミットしましょう。

続いては、全体及び認定企業数を見ていきましょう。
スタンダードセッターとしての役割を果たすべく、組織改正を行ったSBTi。
その役割を果たしていけますでしょうか。

増減を見たのがこちら。

○短期SBT
全体:世界 +280社 日本 +62社
認定数:世界 +231社 日本 +70社
○Net-Zero
全体:世界 +79社 日本 +0社
認定数:世界 +38社 日本 +0社

今月、世界全体については、いずれも定常飛行であったところ、日本は、短期SBTコミットメント提出及び認定が倍増したのに対し、Net-Zeroはコミットメントも認定のゼロ。

Net-Zero申請済みが85社であることを考慮すると、申請できるような日本のグローバル企業は既に提出し終わった一方、SBT申請をしていなかった、中小企業が動き出したのでしょうか。

まぁ、前述したように、コミットしたものの、期限に間に合わなかった場合は「Commitment Removed」という有難くないステータスが表示されることとなるため、急がずじっくりが良いでしょう。

さて、今回、全体数に対する認定数の比率、認定率を見てみました。

面白いことに、短期SBTでは日本は80%以上と好成績なのに対し、Net-Zeroでは20%にも満たない認定率となっている一方、世界全体では、逆の傾向。

SBTiの認定作業がどのようになっているかは全く分かりませんが、短期SBTが増加傾向、Net-Zeroが減少傾向であるところを見ると、Net-Zeroの認定の方が難しく、リソースが不足しているのかもしれません。なので、世界の方が優先されているのでしょうか。

現在、UAEでCOP28が開催されていますが、今年も多くの非国家アクターが、サイドイベントを行い、様々な発表を行うでしょう。

それらが、このSBTiを始めとする既存の枠組みに影響を及ぼしていくのか?
ウォッチしていきたいと思います。


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