SBTi参加企業数アップデート
毎月定例のSBTi参加企業数、2024年7月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2024年7月25日現在です。
前回はこちら。
SBTiは5月から、Legacy版と並行して、Beta版のTarget dashboardを運用し始めています。
昨年5月にBetaの運用は開始済みでしたが、データのフィルタリング方法が変更となり、これまでのグラフ等との継続性が保てなくなるので、当面Legacyを使用していました。
しかしながら、Beta版では認定済み組織(Target set)及びコミットメントレター提出組織(Committed)だけでなく、SBTiの方針に基づき「Commitment removed」された組織も検索表示されるようになりました。
ですので、これを機会に、切り替えた次第です。
なお、コミットの削除は、月1回、第1木曜日に実施されるようです。
参加企業数のアップデートは毎週木曜なので、月締めの翌月削除かと。
ちなみに、Beta版では、データは、エクセルファイルでダウンロードできるようになっています。履歴は残らないため、推移を見るためには、自分で保存しておく必要がありますが、ダッシュボードで参照するよりも、遙かに効率的に検索できます。
BetaはLegacyとインターフェースが異なっておりますが、その内容、及び検索の仕方については、前回簡単にご案内しておりますので、必要に応じて参照下さい。
前置きはこれくらいにして、データのご案内に移りましょう。
次のように、Near-termとNet-Zero、Target毎に「Commitment removed」「Committed」「Target set」の企業数、及び、SBTiに参加している企業総数を月毎にレポートしていきます。
noteでは、企業数しかご案内しませんが、詳細フィルターを使用することにより、ステータス毎の企業の一覧が表示され、次の項目を参照することができます。ご参考まで。
前月比をみてみましょう。
Near-termの「Commitment removed」は前月と同レベルですので、2年前の「Committed」がどれくらいだったか確認要ですが、コンスタントに伸びていたイメージですので、提出できない企業が、コンスタントに削除されたのかなと。
他方「Tareget set」も同レベルのところをみると、提出する企業、提出できない企業、両者とも一定程度存在しているのでしょう。
Net-zeroでは、世界の「Commitment removed」が、先々月から先月は+22社だったところ、先月から今月では+52社と倍増しています。反対に、「Committed」は+29社から−11社と40社も減っています。
「Removed」ラベルを恐れて、躊躇した企業が多かったのかも。
「Target set」は前月と同レベル。とりあえず「Commitment letter」を出す企業がある一方、Net-zeroパスに整合的な目標を立てることのできる企業もあったことが類推されます。
日本企業は、ほとんど「Removed」されておらず、しっかりとした計画の元にLetterを提出、期限内に申請をしていることが伺えます。
さて、気候変動情報開示の世界では、「移行計画(Transition Plans)」の重要性が高まっています。
CDPは、質問書で移行計画の有無を問いますし、レポートも公開しています。
IFRS S2も、企業が移行計画を持っている場合、その情報を開示することを求めています。併せて移行計画タスクフォース(TPT)によって開発される開示特有の資料をサステナビリティ・ナレッジ・ハブで公開する予定。S2のImplementation Guidanceにも盛り込み、アップデートしていくとか。
2030年の中間目標年が近づくにつれ、もう「目標設定(Target setting)」のフェーズではないということ。着実な実績がこれからは求められるということなのです。
SBTiの「Commitment removed」された企業の開示も、このような背景の下に実施されているものと考えています。
心して「有言実行」に邁進していきたいものです。
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