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大村湾ブルーカーボンPJ始動

かねてよりご案内している、ブルーカーボン。

先日、支援しているサイトを訪問、視察及び関係者の方々と意見交換、情報共有をして参りました。「Jブルークレジットのスゝメ(2)」でご案内した、「事前相談」を受けて行ったものです。(本来であれば申請後にはなりますが、スケジュール上、申請前に行った形です)

場所は長崎県大村市、プロジェクト実施場所は長崎空港のすぐ南に位置する、松山町の海岸です。お隣には「ガラスの砂浜」という廃ガラス再生砂を用いて造成した浅場あり、インスタスポットとして有名なようですが、こちらはひっそりとした砂浜となっています。

この大村湾は、世界的にも珍しい二重の閉鎖性海域であるが故に、海水の入れ替わりが少なく、水質悪化に常に悩まされてきた歴史があります。地図を見てみると分かりますが、大村湾に入るためには佐世保湾を経由するしかないのです(だからこそ「二重」なのですが)

ということで、大村市は、環境省や農水省、国交省などに働きかけ対策に乗り出しているのですが、昨年度からは、企業版ふるさと納税活用した「水質浄化」に取り組んでいます。


植物由来のミネラル成分と土壌腐植質、土壌ミネラル成分を原料とする独自の加工技術により作成したカルシウムを主成分とするミネラルセラミックを活用するもので、上の地図に赤丸で示したエリアの海中に設置し水質浄化を図る計画です。

水面から突き出ている棒のある海中に設置されています。水深は数mですが、地上からは全く確認できませんね。効果については、東大が協力しており、調査研究が進められているところ。

では、ここで何故ブルーカーボンが関与するようになったかというと、水質浄化のために設置しているセラミックが、ウミトラノオなどの海藻の生育を促進させているらしいということが明らかになってきたからです。

ブルーカーボンは、学術研究ではありません。

藻の育成が促進されているという「結果」が実証されれば、認証されます。
ですので、十分なエビデンスを提供し、一定程度の「確からしさ」を説明できれば、認証委員会にて認証してもらえます。

まぁ、この曖昧さが、逆に「ウォッシュ」の誹りを受けることにもつながると言えなくもありませんが、事務局であるJBEでは、厳密さとのバランスを図りながら、試行事業を行っているところです。

大学における理学部と工学部、企業における研究部と開発部みたいなイメージで、どちらか一方に寄せてしまうと、社会実装が進まないわけです。

さて、今回の視察では、やはりというか「ベースラインの不在」が明らかになりました。簡単に言うと、セラミックを設置する前の状態を確認できるデータが無いと言うことです。

クレジットは、ベースラインとの比較により、その差分が認証されるものですが、プロジェクト前の状態が確認できなければ、ベースラインを確定することができないのです。

ブルーカーボンはまだ新しい概念であり、Jブルークレジットが始まったのも3年前ですので、「後で気づいて申請しようということになった」という例が多いこともあります。

今回の例では、県が大村湾の水質調査を継続して行っているので、その時に撮影した写真が存在しないか、調査研究結果がないか、はたまた、テレビ局に空撮データなどが残っていないか、などなど、総力戦でデータの有無を確認することになりました。

併せて、今後設置箇所を増やすに当たっては、当初からクレジットを創出できるよう、先行してドローンによる空中撮影等を実施することにも合意しました。

他方、関係者の合意形成という、現地訪問のもう1つの目的は、園田大村市長の「頑張ります」という最後の念押しのひと言で、揺るぎないものとなりました。

個人的には、皆さんのやる気が一番重要だと考えています。
これから申請のお手伝いをしていきますが、心配はしておりません。
小さく始めて、大きく育てていけばよいのです。

継続して初めて、環境劣化防止、地球環境保全につながるのですから。

全国各地でブルーの発掘を行っています。
ご関心のある方は、お気軽にご相談ください。
宝くじは、買わないと当たりませんよ〜

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