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排出量算定〜スコープ3 カテゴリー2

カテゴリー2は「資本財」

つまり、財務会計上「固定資産」として扱われているものです。
ですので概念としては分かりやすいのですが、いざ算定しようとすると分かりにくいのが、このカテゴリーの特徴ではないでしょうか。

算定に着手したばかりの企業であれば、このカテゴリーは、最初は「ざっくり」かなり「ざっくり」捉える程度でよいと思います。

・カテゴリー1と重複するところがあるため仕訳に悩む
・複数の事業者が関与する場合が多い(建築物や製造ラインなど)
・導入や建築が長期にわたる場合がある

カテゴリー1のように、サプライヤーに情報提供を依頼して終わり、とはならないわけです。また、できるものだけは、積み上げで算定して…などと考えていると、結果的に、一番精度の低いデータに足を引っ張られます。

ですので、最初は「支出額から排出量を推計する方法」一択がお勧め。

スコープ3基準の、カテゴリー2の説明はこうなってます。

このカテゴリーには、報告年において報告企業が購入あるいは取得する資本財の製造から発生する、上流側のすべての(即ち、カーボン・フットプリント)排出物を含む。

スコープ3基準

「報告年」において「購入或いは取得する」資本財が対象です。

ですので、報告年とその前年の固定資産台帳を持ってきて、増加している資産をピックアップして、取得価額を合算します。その合計金額に、自社の業種と合致する排出原単位を掛けます。終わりです。

「台帳に記載されている」かつ「取得年月が報告年」であれば対象です。
活動量は「取得価額の合計金額」です。

何一つ、迷う・悩むことはありません。

なお、この点にはご注意下さい。
取得価額には含まれないので、問題ではないかと思いますが、念のため。

報告企業による資本財の使用による排出物は、カテゴリー3というよりむしろスコープ1(例えば、燃料の使用)あるいはスコープ2(例えば、電気の使用)の何れかにカウントする

スコープ3基準

ちなみに、データは環境省のウェブサイトからダウンロードできます。

ただ、簡便さと精度はトレードオフ。
業種(部門)は網羅されていますが、非常に粗い分類ですので、必ずしも自社に最適な業種があるとは限りません。

それでも、構いません。
最初の算定は、そもそも、「何を算定するか」というバウンダリーを決めるための「スクリーニング」が目的ですから。

個人的には、スコープ3よりも、スコープ1と2に注力してほしいです。
CDPの質問書に回答したり、SBT認定を申請したりする際には、ほぼ100%カバーしなければならない排出量。データがシステマチックに集計されるようなフローを構築しておく必要があります。

是非とも、初年度は、社内の仕組みづくりに時間を割いて下さい。
そのためには、現場の方々の協力が欠かせません。
しかし、本人たちにとっては「余計な業務」
サラリーが上がるわけではありませんから。(上げてもらいたいですが)

算定支援を行っていると痛感します。
いかに、自分事として、進んで動いてもらえるか。

そのために、この業務が自社にとって、ひいては自分たちにとってどのような意味があるのか、何につながるのか、を時間をかけて説明してきました。
コロナ禍、リモートで実施できたのはラッキーでした。
現場に赴かず、何度も、分かってもらえるまでレクチャーできましたから。

算定業務に限らず、環境問題は係わる皆さんの「参画」が重要です。
それも、「自ら」「進んで」協力してもらえること。
環境問題に対して会社として積極的にコミットしていくという企業風土を、地道に醸成していきましょう。


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園田隆克@GHG削減サポーター
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