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小坪ブルーカーボンPJ 着々

時折お届けしている、小坪ブルーカーボンPJの進捗状況。

前回は、生長している様子をお届けしました。

今回は、その収穫の様子を…と思っていたのですが、残念ながら、養殖場での収穫作業や収穫後の天日干し作業等々、都合がつかず参加叶わず。天候にも左右されるので、時期を合わせて九州からというのは、中々ハードルが高いことを痛感。やはり、移住すべきか?と悩むこの頃です。

前置きはこれくらいにして、今回は、ワカメの様子をお届けするのではありません。養殖は、11月末に種付けして、翌年2月から3月上旬頃に収穫しますので、今は、養殖枠も何も無い状態です。

今回は、収穫したワカメの商品化の話です。

小坪漁協は、日本のその他の漁協と異なり、「マーケッター」の集まりといっても過言ではありません。

小坪漁港で水揚げされた水産物で商品を開発、「小坪の味」ブランドを届けるために、「合同会社こつぼ」という会社を設立、漁師や地域企業、関連団体が協力し、製造から加工販売まで地域一帯で取り組んでいるのです。

例えば、海藻を食べ尽くして磯焼けをもたらす、厄介者の「ウニ」
殆ど実が入っていないために「取っては捨て」という状態だったところ、「キャベツ」を餌として与えることで実が入り、商品化することに成功。ブランド化までしてしまったのです。

月刊「商工会」2021年9月号より

粉体化しためかぶやアカモクを練り込んだ「うどん・そば」など、色々ありますので、是非サイトをご覧頂ければと思います。

現在は、試験場からの紹介で、海ぶどうの養殖に乗り出しているとのこと。
残念ながら、漁期でないため生け簀は空っぽでしたが、2年前から取り組んでいるそうで、商品化が待たれます。

なお、気候変動により水温が上昇し、ワカメの養殖にはマイナスですが、逆に、海ぶどうの養殖ができるようになるなど、メリットもあるわけで、これもいわゆる「適応」と言えますね。

生け簀の様子(左:ウニ 右奥:海ぶどう)

ウニは、上の写真のような区切りが入った生け簀で育てられ、一つのボックスあたり約500個の生体が養殖されているそうです。

そんな「小坪漁協」ですから、ワカメを売りきる力はあるとは思うものの、やはり、商品のポートフォリオは持っておきたいもの。

ブルーカーボン創生は、養殖が継続的であればこそ。継続できなければ、生物多様性も担保できず、持続可能な環境の実現は画餅に帰すのです。

そんな中、Grinoさんというスタートアップ企業に巡りあいました。
失礼ながら存じ上げていなかったのですが、有機野菜を使用し、一日に必要な栄養分を摂取できる食事を提供するビジネスを展開されています。

とはいえ、同様なビジネスを展開している競合は多い中、Grinoだからこそ提供できる価値はと考えたとき、「食材・栄養源」としてだけではなく、生物多様性に寄与する「ブルーカーボン」も生み出すという「サスティナブル」なベネフィットも兼ね備えた、小坪の取り組みに白羽の矢が立ったのでした。

このnoteを通じてプロジェクトを知り及び、お声かけ下さったとのこと。
このように、コツコツと書きためてきたことが、皆さんのお役に立っていると考えると、非常に嬉しく、励みになります。

今回小坪まで足を運んで頂いたのは、CEOの細井さんとCXOの内海さん。
直接お話を伺ったことで、商品イメージが更に深まりました。

漁業は、収量が環境に左右されるため、収入が安定せず、流通に乗らない部分は廃棄されるという、フードロスの問題があります。これは、農産物にも同様に当てはまるわけで、プロジェクトを通じて、一緒にソリューションを考えて行こう、ということで意見の一致を見ました。

お二人には、養殖場は無いものの、磯焼け・ウニの食害の様子を実際に見て頂くことができました。学びになったと思いますし、具体的な商品の開発にも役に立つと思います。

Grino 細井さん(左) 内海さん(右) 小坪漁協 植原さん(奥)

ところで、小坪漁協の漁師の皆さんは、殆ど兼業されており、飲食店を経営なされている方も多くいらっしゃいます。例えば、合同会社こつぼの代表、座間さんはイタリアンレストランのオーナーです。漁業と飲食や旅館は相性がよいのです。

で、今回ランチでお邪魔したのは、訪問日前日に開業したばかりの、こちらも漁師さんのお店「まがり丸」。小坪港入口にありますので、お越しの際は是非お立ち寄りください。

まがり丸(左) めかぶラーメン(中) 浸け丼(右)

ということで、小坪ブルーカーボンPJ報告第3弾、お届けしました。
これから、具体的な申請作業に入っていきます。
都度、進捗報告していきますので、ご期待下さい。

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