SB56ボン会合が終了
6/16~26の日程で、科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)第56回会合(SB56)が、ドイツのボンで開催されました。2019年以来3年ぶりでしたが、事務局の発表によると、参加は3320人とのことで、近年のSB会合としては小規模だったようです。
やはり、このような国家間の会合は、国益のぶつかり合いですから、リモートなんかではできないですよね。「飛び恥」にならないよう、エアラインには削減に励んで頂いて、リアルで対面しての交渉を行ってもらいたいです。
現地では自主テストキットが配布され、会議場内や公共交通期間内でマスク着用が義務となっている他は、ほぼほぼコロナ前に戻っていたとか。まぁ、自主的に自己隔離をやっているのは世界を見渡しても日本くらいですしね。
さて、気になるのはやはり、パリ協定6条の話。
昨年のCOP26で大枠は決まったものの、中身はこれから。個人的に扱うのはボランタリークレジット、それも、国内が殆どなので縁遠いものではありますが、無縁ではいられません。
近年、日経などのメディアによる、実体の無い「幽霊クレジット」の報道や、排出へのフリーパスへつながるという懸念、そもそもウォッシュであるといった批判などなど、カーボン・クレジットには必ずしも良くない話がつきまとっているのは、疑いようのない現実。
だからこそ、様々なイニシアチブが悪い噂を払拭すべく、活動しているのです。その方向性は次の3つ。
1.高品質なクレジット創成のためのルール作り
2.透明性の高い情報開示
3.バリューチェーン外の削減(Beyond Value Chain Mitigation)を通じた貢献
「BVCM」というのは最近にわかに注目され始めた概念で、SBTiの目標設定において「強く推薦」されています。
バリューチェーン内の排出量を削減するのは当然として、それを超えた削減に寄与することによって、2050年ネットゼロにより近づくことができる、という考えです。それができるのが「カーボン・クレジット」なのです。
さて、1.の「ルール作り」と2.の「情報開示」が、「パリ協定6条」の議論に大きく左右されるため、上記のように、気になってしまうわけでした。
結果からすると、今回は、個別論点の議論は先送りにし、以下のプロセスに
合意して終了しています。
いずれにせよ、動き出したのは「良し」としましょう。
これから11月のCOP27へ向けて、どのような進展があるのでしょうか。
この動きを横目で見ながら、イニシアチブは活動を加速することでしょう。
その動向については、別のnoteでご紹介していきたいと思います。
お楽しみに〜
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