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アマモと若者の未来に期待

2023年11月17日〜19日に笹川平和財団が開催した「国際アマモ・ブルーカーボンワークショップ2023」に参加してきました。(参加は17日、18日のみ)

「ブルーカーボン推し」でありながら、日本における主役である「アマモ」について全く知らなかったので、9月に開催アナウンスがあったときにチェック、10月の募集開始と共に応募しました。(2日目のディナークルーズは、関係者のみで定員になったとのことで、一般枠はなくなってしまい残念)

参加者の狙いの一つは、KAUST デュアルテ教授のブルーカーボン生態系の国際的・学術的なトレンド説明や、PEMSEAのゴンザレス事務局長による東アジア海域における活動紹介だったかと思います。

もちろん、そのお二人や、ブルーカーボンと言えば外せない、JBEの桑江さん、渡邉さんによる基調講演も目的ではありましたが、やはり、クレジット創生の実務をやっていることから、水産資源研究所 堀さんによる、定量評価最前線に注目せざるを得ませんでした。

まだ、調査は終了していない中での報告でしたが、非常に参考になりました。
藻場タイプ・海域区分別の吸収ポテンシャル及び吸収係数も紹介されていましたが、ここでは、海藻養殖及び天然藻場の算定式だけご案内しておきます。

天然藻場における算定式
海藻養殖における算定式

期せずして、良いお土産となったのが、東北大学 近藤先生の、環境DNAを利用した生物多様性観測網「ANEMONE」のお話でした。

水に溶存する環境DNAを観測する観測網のことで、DNAを調査することにより、どのような魚が棲息しているか、特定できるそうです。2015年、京都の舞鶴湾で開始され、1,000以上の地点で5,000回以上の調査を実施、900以上の魚の分類群を特定したとか。

海藻・海草を対象とすることで、同様のことが行えるとのことで、生物多様性を「見える化」できるらしいのです。

さらに、誰でも参加することができるのが、素晴らしい。

参加表明すると、回収キットが送付されてくるとのことで、地元の海、お気に入りの海の水を回収して、協力できるとのこと。で、このようなボランティアで成り立っているシステムなので、データは誰でも利用可能。

私も、すぐにでも参加したくなりました。
皆さんも、是非、こちらにアクセスしてみてください。

その他、市民の皆さんの活動報告も、楽しみにしていました。
実際に携わっている人の生の声が一番。
私も、これから着手するところですので、参考にしたいと思います。

その中でも、ずば抜けていたのが、阪南市の取組。
市では、「はんなんのうみ」という副読本まで作成して、自分たちのくらしと海との結びつきを、子どもの頃から学習しています。
今回は、西鳥取小学校の子供達が、寸劇を交えて、紹介してくれました。

高校生の皆さんは、英語で発表されており、感心しきることしきりでした。
ポスターセッションもありましたので、こちらに紹介しておきますね。

さて、私だけでなく、参加した皆さんも度肝を抜かれたと確信するのが、岡山学芸館高校の「醤油製造におけるアマモの活用」ではないでしょうか。

「コベネフィット」を生み出して初めて「ブルーカーボン」
「コベネフィット」の無いものは、J-ブルークレジットとして認証されません。

なので、例えば、生物多様性や魚種の増加、環境教育などが「コベネフィット」として訴求される場合がほとんどなのですが、何と、アマモそのものが「原料」として活用できる可能性があるのですね。

そもそも、アマモは増やせば良いことばかり、と思っていたところ、「スクリューに絡みつく」といった、厄介な問題があることすら知らなかったのですが、それを、「機会に変えていこう」という、研究の出発点、課題の捉え方に、拍手を送りたいです。

加えて、ネイティブかと間違えるようなスプレンディッドな英語で発表された、ⅱ年製の平岩恋季さんが、素晴らしすぎました。「マリンチャレンジ中四国大会優秀賞」「海の宝アカデミックコンテスト中国近畿ブロック最優秀賞」という数々の賞を受賞されているというのですから、日本の未来は明るい?

ということで、お持ち帰りのお土産が多かった、ワークショップ。
これからの、自分の活動に活かしていきたいと思います。
進捗があれば、お届けしていきますね。

皆さんからの報告も、お待ちしています。
ブルーの輪を拡げていきましょう。

もしよろしければ、是非ともサポートをお願いします! 頂いたサポートは、継続的に皆さんに情報をお届けする活動費に使わせて頂きます。