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ESG戦略斜め読み〜ソフトバンク(2)

2024年2月26日に開催されたソフトバンク(SB)ESG説明会について、その内容を簡単にお届けしています。

前回は、前半の「ESG戦略」についてお話ししましたので、今回は後半の「環境対応推進計画」について説明したいと思います。前回はこちらです。

環境については、ISSBのIFRS基準についても、テーマ別では気候変動がS2として先行し、第二弾として、生物多様性や人権、人的資本を予定していることから、当然ながらSBも、同様の優先順位のようです。

気候変動によるビジネス環境の変化を「危機から機会に変えましょう」とご案内している立場からすると、SBのこのアプローチには拍手。

前振りはこれくらいにして、排出量を見ていきましょう。
SBの事業は「通信/インターネット」ですので、当然の内容ですね。
スコープ2の電力による排出量が、圧倒的で97%。

とは言え、他のセクター同様、スコープ3が全体の94.6%と、大部分を占めるのは同じ状況。バリューチェーン排出量削減は、製品作りと同じ、サプライヤーとの協業が重要です。

算定で見える化した後は、削減目標の設定と、削減計画の立案、そして実行ですが、SBは非常に優位な立場にいるといえるでしょう。

というのも、SBは子会社に「SBパワー」という小売電気事業者を擁することから、自前で電力を調達できる自由度が大きいのです。自己電源もありますし、非化石証書の入手も容易。計画に沿って、着実に再エネ電力比率を100%に近づけていくことが可能なのです。

その証左に、RE100にも正式加盟しています。
(にしては、加盟期日が2024年2月とは遅すぎのような気もしますが)

加えて、AIを活用した研究開発力を有することも強み。
基地局の建設(Initial)及び維持(Running)における排出量が多いところ、自身でソリューションを見出せる、自己解決できますから。

この「自己解決能力」「スコープ1・2」目標の達成は確実でしょう。
ですが、それだけではありません。

アップルの「サプライヤークリーンエネルギープログラム」で行っているような、再生可能エネルギー100%電力調達支援や削減ソリューションの提案を実施することにより、「スコープ3目標」も「実行可能な(Doable)」な目標になるのです。

最後に、「リスクを機会に変える」ビジネス展開を行っていることを紹介すると共に、社会のCO2削減にも取り組んでいる旨PRしていました。

個人的には、私も参加しているGXリーグと、お世話になっている、九大の馬奈木が理事長を務め、JBEの桑江さんがパートナーとなっている、ナチュラルキャピタルクレジットコンソーシアム(NCCC)が紹介されているのが、高評価でした。

ということで、2回に亘ってお届けしたSBのESG戦略、いかがだったでしょうか。1時間超の説明会で、宮川社長他2名が登壇されていましたが、お三方とも、自身の言葉で分かりやすく説明されていたのが、好印象でした。

難しいことを難しく言うことは簡単なのですが、難しいことを分かり易い言葉で伝えるのは、非常に難しい。皆さんも、実感されていることでしょう。

私自身がこのnoteで心掛けているのも、この一点です。
今後も「誰にでも分かる言葉になっているか」と自問自答しながら続けていきたいと思っています。

ですので、「???」と思った点がございましたら、ご遠慮なく、コメントでお知らせ頂けますと、幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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