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スコープ2に続いてスコープ1でも証書活用

これまで、非化石証書の扱いについては、何度かご案内してきました。

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における算定方法検討会 第1回資料より

簡単に言うと、購入した証書の分を自社の排出量から差し引くものですが、他者から供給された電気の使用に伴う排出量を上限とするものです。

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度における算定方法検討会 第5回資料より

この時に想定していたのは、「非化石燃料」により発電された電力でした。
なので、間接排出量、スコープ2でした。

今回ご案内するのは、「非化石燃料」の燃焼による熱の話です。
その熱の使用による環境価値を証書化し、非化石電力証書と同じように流通させましょうという話です。

合成メタンやバイオガスの使用は、SHK制度においてはカーボンニュートラルとして算定不要であるところ、証書化すれば、直接利用できない事業者でも排出量を削減できることになります。

供給事業者にとっても、当該燃料の環境価値の扱いが定まっていないことが、事業展開において支障となっていたという実情もあります。

私としても、「カーボンニュートラルLNG」についても、使用に当たっては公開、開示方法について留意して欲しい旨、発信をしていました。

その中で「ルールが明確化されたら、カーボンニュートラル○○は、一躍競争優位に立つでしょうね。」としていました、実際その動きが明らかになりました。

23年2月24日に開催された、第10回 メタネーション推進官民協議会において、ガス協会が検討内容を公表しています。

第10回 メタネーション推進官民協議会 ガス協会資料より
第10回 メタネーション推進官民協議会 ガス協会資料より
第10回 メタネーション推進官民協議会 ガス協会資料より

なお、非化石電力証書と同様に、自社の燃料の使用による排出量を上限に証書購入分を差し引きくことができるものとしています。これは当然です。

個人的には、ウェルカムです。

あくまでも、国内法における取り扱いではありますが、これにより、予見可能性が高まるために、事業の発展が望めます。法的拘束力があるので、RE100と同様の枠組で、購入する企業も現れると推測されるので、マーケット形成が進むと考えます。

なお、ガラパゴスとなっては元も子もないので、海外を見ながら制度設計を進めてほしいですね。GHGプロトコルへも改訂要望を出しつつ、「カーボンリサイクル燃料のカーボンニュートラル性(GHG非排出の扱い)を反映できるよう提案する。」としているので、期待できます。

国際航空におけるSAF(Sustainable Aviation Fuel)もそうですが、燃料周りの開発やルール形成も活発になってきました。これからますます、目が離せませんね。

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