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CCPがリリースされました(1)

どのような要件を備えていれば「高品質なクレジット」なのか。

グリーンウォッシュが問題となる中、昨年、ICVCMが統一ルールである「Core Carbon Principles:CCP」を策定、パブコメを実施していました。

高品質なクレジットを適切に活用することにより、地球全体の温暖化対策につながると言う立場で応援しており、こちらのnoteでも繰り返し、ご案内してきました。

また、国連が旗振り役となっている、「Race to Zero Campaign」でも、クレジットの活用は、自社のバリューチェーン外の削減活動の推進に寄与する(BVCM:Beyond Value Chain Mitigation)ものとして支持し、高く評価しています。

待ちに待っていた、そのルールブックが、満を持して公開されました。
ドラフトからどのように変わったのでしょうか。

CCPだけを比較してみましょう。
共に、数は10で変更ありません。

表現が若干変わっていますが、曖昧さを回避しつつ、包括的なものにしたように思います。「benefits」や「contribution」の方が、ポジティブな感じを受けそうです。

Mitigation activity information→Transparency
Program governance→Effective Governance
Registry→Tracking
Sustainable development impacts and safeguard→Sustainable development benefits and safeguard
Transition towards net zero emissions→Contribution to net zero transition

さて、このフレームワークでは、2段階で行うものとしています。

1.プログラムレベル(Program):CCP-Eligible
2.カテゴリーレベル(Categories of carbon credits):CCP-Approved

簡単に言うと、CCP-Eligibleは、クレジットプログラムを認証するものであり、CCP-Approvedは、方法論を認証するものです。

例えば、Verraが運営主体であるVCS「クレジットプログラム」が認証されれば「CCP-Eligible」となり、そこで選択できる方法論が認証されれば「CCP-Approved」となる訳です。

CCP-Approved Categoriesは、「CCP Attributes」という属性を付与することができます。このフレームワークでは、以下の3つが想定されています。

1.パリ協定適合(ホスト国の相当調整あり)
2.収益あるいは発行量の一部を気候適応対策として寄付
3.Goal 13 以外のSDGsに貢献

この中では、買い手には1が、ホスト国には2及び3が魅力的でしょう。

1.の「相当調整」がなされているということは、各国のNDCに使用できるということ。自国の排出削減に寄与していることを、発信できます。

他方、2.においては、収益の5%を適応基金へ拠出するか、発行したクレジットの5%を適応基金が管理する口座へ拠出することを求めています。ホスト国としては、プロジェクトを呼び込むインセンティブになります。

3.13は気候変動対策なので、プロジェクトの元来の目的。それ以外のSDGsの達成に寄与するという「コベネフィット」があることを、主張できるという属性です。なので、こちらも、ホスト国としてウェルカムでしょう。

次回は、各章を簡単に見ていきたいと思います。

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