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SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、3月度。
前回はこちら。

まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認証された数の合計)及び認証数です。
全体数の伸びは若干鈍化。
認証数は7月以降は一定で単調増加で、こちらも先月同様の傾向です。

ただ、聞くところによると、先月認証申請したところ、審査着手は9月からになるとの連絡があったとか。CDPに間に合うように、バックオーダーを集中的に処理する一方、新規の受付をセーブしているのではないかと邪推してしまいますね。

増加数を見てみましょう
○短期SBT
コミット数:世界 +74社 日本 +16社
認証数:世界 +92社 日本 +18社
○Net-Zero
コミット数:世界 +32社 日本 +1社
認証数:世界 +24社 日本 2社

世界に目を向けると、Net-Zeroの認証数以外は激減。
他方、日本は、年明けから低下傾向であるものの、低位安定。

短期SBTの認証数は、年明けからの数が非常に多かっただけで、平常飛行に戻っただけかもしれません。Net-Zeroの減少は、短期SBTの方を優先しているように思います。

いずれにせよ、認証までは時間がかかりますので、CDPや有報での報告などターゲットがある場合は、相当の時間を見込んで、早めの提出を心掛けた方がよいです。なお、中小企業向けSBTは手順が異なり、リードタイムも異なってきます。事前にリサーチしておきましょう。


さて、IPCC第6次統合報告書が3月20日、公表されましたね。

パリ協定が求める1.5度目標を達成するために、排出削減のための施策をこれまで以上に進める必要性が強調されており、企業などは「これまで以上のレベルでの排出削減の戦略を立て、実行することが求められます。

ですが、ここで「???」って思われた方もいらっしゃるのでは?
「あれっ、もう公表済だったのでは?」

実は、IPCCはこのように、IPCC総会の元、3つのワーキンググループ及びタスクフォースからなります。

Structure of the IPCC(IPCCウェブサイトより)

第1作業部会(WGⅠ):科学的根拠
第2作業部会(WGⅡ):影響・適応・脆弱性
第3作業部会(WGⅢ):緩和

で、ワーキンググループがそれぞれの報告書をそれぞれ公表してきました。

AR6 第1作業部会報告 「気候変動-自然科学的根拠」
公表日:2021年8月9日

AR6 第2作業部会報告 「気候変動-影響・適応・脆弱性」
公表日:2022年2月28日

AR6 第3作業部会報告 「気候変動-気候変動の緩和」
公表日:2022年4月4日

そして、今回公表されたのが「AR6 統合報告書」となるわけです。

まぁ、ファイナライズできた順に、個別にWGが報告書を公開し、それをとりまとめる形で、大トリが公表されたということです。

AR6の承認・採択が行われたIPCC第58回総会では、AR7はAR6と同様、5~7年の間に作成することも決まっています。ですので、これからは、AR7のサイクルに入ることになります。

ということは、AR7は短期目標のターゲットである2030年直前に、お目見えすることになります。ゼロカーボンへ向かって「on the track」でしょうか?

今年23年の4月から始まるGX-ETSは、順調に稼働しているでしょうか。

予想しても始まりません。
まずは、自社でできる取組から着手し、愚直に推進していきましょう。


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