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TCFD 2022 Status Report リリース

昨日(10/13)、TCFDレポートの2022年版がリリースされました。

主なトピックを下記します。

・1社あたりのTCFD開示項目の数
-2017年以降毎年平均32%増加、1.4→4.2
-80%の組織 少なくとも1つ
-40%の組織 少なくとも5つ

・TCFD推奨の開示項目は11
全て開示した組織は無かったとのこと。

・60%の組織 21年度報告書で気候関連のリスクまたは機会を開示
→2017年度報告書の27%から上昇

・昨年度だけで1,300以上の団体がTCFDの支持を新たに表明

・TCFDの拡がりについて
-支持団体は101の国や地域、経済のほぼすべての部門に及んでいる
-支持団体の時価総額の合計は26兆ドルに達する
-大手上場企業100社のうち92社がTCFDを支持、TCFDの勧告に沿った報告、またはその両方を実施

まぁ、つまり、2017年のレポートから、大幅に支持企業数や国、地域は増えているものの、十分な開示をしている企業はまだまだ少ないということのようです。(推奨している11の項目を全部開示している企業はゼロ)

ただ、こちらのnoteでも何度もお伝えしているように、コーポレートガバナンスコードの改訂とCDPの質問書送付対象の拡大を受けて、TCFDを始めとする、様々な情報開示が求められるようになったこともあり、注目度の高まりは尋常で無いですね。


今月は、TCFDコンソーシアムから、気候関連財務情報開示に関するガイダンス3.0(TCFDガイダンス3.0)もリリースされました。

今週には、TCFDサミット2022も開催され、冒頭では、西村康稔 経済産業大臣からのメッセージが届けられた模様。

2050年カーボンニュートラルを目指し、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向け、多様な実態を踏まえて、幅広い技術やエネルギー源を活用したトランジションを加速化していくこと、革新的なイノベーションの創出と社会実装を進めていくことが重要である。日本政府としては、TCFDを踏まえた企業の気候変動に関する情報開示を基盤に、成長マネーを呼び込んでいく。

西村 康稔 経済産業大臣からのメッセージ

CDPやTCFD対応、SBTiの目標設定などなど、サスティナビリティ関連に携わっている方からしてみると、何はともあれ、このようにさまざまな形で露出が増え、「知る人ぞ知る」の状態から、「よく分からんけど、何やらやっておかないとまずいんだな」というレベルになるのは、ウェルカムでは?

担当者は、孤独なんです。

大企業であっても、多くて2、3人くらいが実務に当たっていることがほとんであるところ、各所にデータの提出やらなんやら、応援を求めないと何もできない。そんな時、いちから説明して協力してもらえるようお願いしないといけないんですよね。

なので、せめて名前だけは「聞いたことがある」という状態になっていて欲しい。それが、ようやく目の前に来ているという感じでしょう。(いえいえ、それでも、まだまですけど)


いずれにしても、これからが本番です。

情報開示ルールも、来年以降、気候変動だけで無くサスティナビリティも併せた非財務情報や財務情報、人的資源、生物多様性、労働安全などなど、様々なルール作りが進展します。

とても私の手には負えませんが、皆さんと一緒に学んでいければと思っています。是非とも、フォローよろしくお願いします。

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