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クレジットの使い方の悩みどころ

2009年6月に初めてクレジットが発行された「国内クレジット」

2008年11月にローソンと東京大学が申請したものが、第1号として認証されたものですが、それから、もうすぐ14年。当時は全く無名、「クレジットってカードでしょ?」の時代。

J-クレジット制度セミナー ローソン発表資料より

そのような、創生期から携わってきた私にとって、今の状況は、遅すぎた春ではありますが、非常費喜ばしいと感じています。

ただ、普及するときに問題となるのが、初心者の急増。
パソコン然り、ネット然り、スマホ然り、SNS然り。

2009年に併せて始動した、J-VERと合体して、J-クレジットも、同じ道を歩み始めていると実感します。

ここはまさに、私の仕事だと認識。
「知っている人は知っている」「知らない人は全く知らない」の二極化が甚だしいのが環境の世界だと理解していますので、こちらのnoteを始め、各所で丁寧にご説明していきたいと思っています。


閑話休題、本題に戻って、ざっくり、本当に簡単にクレジットの活用方法をご案内します。

まず、クレジットを活用する大前提です。

1.自社の削減、ファースト

クレジットは、他者(法人、個人関係無し。自治体の場合もあれば、森林組合のような団体も、幅広く創出主体となり得ます)が実施した、CO2の吸収・削減活動により生み出された環境価値を、金銭的価値に転換したものです。

そのクレジットを購入するという行為は、そのような吸収・削減活動を支援するということです。そうすることにより、自社はもちろんのこと、バリューチェーンを超えた領域における、排出量削減が実現出来ます。

このことを、BVCM(Beyond Value Chain Mitigation バリューチェーン外での削減)と呼んでおり、UNFCCCやCDP、SBTiなどが、積極的に行うよう推奨しています。

したがって、自社のスコープ1・2排出量を削減するのが第一です。他人の世話よりも、自分の世話ということです。

2.バリューチェーン排出量の削減、セカンド

その次は、スコープ3を含めた、バリューチェーン全体の削減。
直接的に削減はできませんが、購買行動等を通じて影響を及ぼすことができる範囲です。短期SBTでは、エンゲージメント目標も認められており、さまざまな形で協力して、削減につながる取組をしていきます。

3.バリューチェーン外の削減、BVCM

ここで初めて先に述べた「BVCM」が登場します。クレジットの購入です。
ただ「クレジット」と名のつくものであれば何でもよい訳ではありません。
「ウォッシュ」とメディアに批判されるクレジットがあることをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、事実上国内で購入できるのは「J-クレジット」です。
直接あるいはプロバイダーを通しての相対取引が基本ですが、23年4月からは、JPXで購入もできるようになります。

J-クレジットは品質は、認証委員会が保証しているので間違いありません。その旨をコミュニケーションできますし、温対法の調整後排出量として、差し引いて報告することもできます。(例外等厳密には色々とルールがありますので、ご自身でお調べください)

さらっと「コミュニケーション」と書きましたが、こちらも、配慮すべき点が様々ございます。意図せず、不正確に伝わってしまうことも有り得ます。慎重に行ってもらいたいところですので、改めてご案内しようと思います。

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