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ICVCMの目指す「Additional」とは?(1)

先日、ICVCMが、特定の再エネクレジットは「CCP-Eligible」の認定を受けることができない旨公表した件についてご案内しました。

根拠について「CCPラベルが求める「Additionality」についての要求事項を満足しないため」と説明しただけで、何故「満たしていないのか」には触れていませんでした。

ですので、こちらについて簡単にご案内したいと思います。

そもそものプレスリリースは、こちら。

言及しているのは、こちらの箇所。「追加性 に関するCCP評価フレームワークの要件を満たしていない」とあります。

The Governing Board decided that eight methodologies used to design and implement renewable energy projects fail to meet the CCP Assessment Framework requirements on additionality because they are insufficiently rigorous in assessing whether the projects would have gone ahead without the incentive of carbon credit revenues.

24年8月6日 ICVCM プレスリリースより(太字は著者)

今回「reject」されたのは、GSとVerraによる8つの「再エネクレジット」、及びVerraによる「SF6排出削減クレジット」です。プレスリリースには、CDMの方法論が例示されていました。

Grid-connected renewable energy
ACM0002 – Grid-connected electricity generation from renewable sources — Version 21.0 and below
ACM0006 – Electricity and heat generation from biomass — Version 16.0 and below
ACM0018 – Electricity generation from biomass in power-only plants — Version 6.0 and below
AM0036 – Use of biomass in heat generation equipment — Version 7.0 and below
AM0072 – Fossil Fuel Displacement by Geothermal Resources for Space Heating — Version 3.0 and below
AMS-I.D. – Grid connected renewable electricity generation — Version 18.0 and below

Mini-grids
AMS-I.L. – Electrification of rural communities using renewable energy — Version 4.0 and below

Renewable Energy (off grid)
AMS-I.A. – Electricity generation by the user — Version 19.0 and below

24年8月6日 ICVCM プレスリリースより(太字は著者)

Sulphur Hexaflouride Avoidance
AM0065 – Replacement of SF6 with alternative cover gas in the magnesium industry v2.1

24年8月6日 ICVCM プレスリリースより(太字は著者)

この公表に先立って、高品質なクレジットであるためのクライテリア、グローバルベンチマークが公開されており、2026年に実施予定の次期バージョンに反映されると明言されていました。

その中で、CCPラベルを取得するクレジットは「以下のような排出削減・除去活動に資金を提供するものでなければならない」として列挙していた条件の「Additional」が、現行のクライテリアと比較してどうなるのかに着目していたところ、今回のリリースだったという訳です。

Compatible with a transition to net zero
Permanent
Additional
Robustly Quantified

具体的な説明はプレスリリース中にはありませんでしたが、「カテゴリー評価に関する見解 再生可能エネルギー」という文書に、再エネクレジットについての説明を発見しました。

それによると、「グリッド排出係数(Grid Emission Factors)」と「抑制された需要(Suppressed Demand)」が要因のようです。

ということで、次回は、こちらについてご案内していきたいと思います。
お付き合い、よろしくです。

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