マガジンのカバー画像

排出権取引の現在地

105
カーボンプライシングの1つ、排出権取引。世界を見渡すと、EUや中国、韓国、ニュージーランドなど、幅広い国で実施され、着実な効果を上げています。日本で検討されているGX-ETSはど…
運営しているクリエイター

#Jクレジット

追加性(Additionality)を理解しよう

皆さん、「追加性(Additionality)」という用語はご存知ですか? J-クレジットの実施規定において「プロジェクトが満たすべき要件」の一つとして挙げられていますので、クレジットに携わったことのある方なら、当たり前の概念ですよね。 何も国内に限ったものではなく、国際的な概念であり、ボランタリーなGHG排出削減プログラムを推進する非営利団体のICROA(International Carbon Reduction & offset Alliance)は、認証可能なクレ

リアルな地元を応援したい!

2021年11月より非化石価値取引市場の改革が行われ、次の2つの市場に分割されたことは、ご存知の方も多いでしょう。 再エネ価値取引市場は、FIT証書を取り扱牛場で、購入した証書分だけ、自社の排出量から控除することができます。環境省が発表する「電気事業者別排出係数」の「調整後排出係数」を算定する目的で使用されるので、元来需要が高い市場です。 改革前は、電気事業者しか購入できていなかったところ、「再エネ価値取引市場」では、需要家や仲介事業者も入札に参加して購入できるようになっ

J- クレ CORSIA再チャレンジ

J-クレジットが、22年、CORSIA適格クレジットとしての認定を申請したことは、繰り返しご案内してきました。 「CORSIAって何?」と思われる方も多いかと思いますが、そちらについても、詳しく説明しておりますので、ご参照頂ければと思います。 申請を受けたICAOは、CORSIAの技術助言機関(Technical Advisory Body: TAB)にその内容を諮り、下記スケジュールで審議が進行。 質問状に回答、調査要請に対応、インタビューもこなした上で吉報を待ちまし

CORSIA適格クレジットへの道

以前、J-クレジットとJCMがCORSIA適格クレジット(CORSIA Eligible Emissions Units)申請をしたことをお伝えしました。 CORSIAというのは、Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation(国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム)の略で、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民

JクレとJCMがCORSIA申請(3)

前回は、「太陽光発電設備の導入」方法論によるクレジットを、先行的に申請しようとしている旨お伝えしましたが、実際既に申請済みです。 受理後、3月25日から4月24日までパブコメを受け付けていました。 既に締め切られており、TAB(Technical Advisory Body 技術諮問組織)にて、EUC(Eligible Unit Eligibility Criteria)を踏まえた審査がなされている段階と思われます。 この後、各申請主体へ③勧告がなされ、それに対する修正・

JクレとJCMがCORSIA申請(2)

J-クレジットがCORSIAという、国際民間航空機関(ICAO) が主管する排出量取引制度で使用できるクレジットに申請した、という話をしています。 J-クレジットが申請した理由は明快。J-クレジットの活性化です。 運営委員会でも「2050年カーボンニュートラル実現に資する」として、 活性化策について、検討が続けられています。 2009年の発足当時を知る人間として、このようなPR資料を委員会が作るというのは、つくづく、時代が変わったなぁと思わざるをえません。 確かに、ぎ

排出量削減の第一歩に最適です

旧い設備を最新の高効率機器に更新すれば、手っ取り早く、自社排出分であるスコープ1と2を減らすことができます。分かりきった話です。でも、その時に引っかかるのが、 イニシャルコストがかかる 効果が長続きしない 1.は当然ですよね。 「ランニングが下がるから」と言われても「先立つものが…」 「使える補助金があるんじゃない?」との声が聞こえてきそうですが、 「探す手間」「申請する負荷」が頭をもたげます。 2.もよく聞く話です。 更新翌年度は前年比で下がりますが、そこまで。 2