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排出権取引の現在地

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カーボンプライシングの1つ、排出権取引。世界を見渡すと、EUや中国、韓国、ニュージーランドなど、幅広い国で実施され、着実な効果を上げています。日本で検討されているGX-ETSはど…
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2023年2月の記事一覧

CORSIA適格クレジットへの道

以前、J-クレジットとJCMがCORSIA適格クレジット(CORSIA Eligible Emissions Units)申請をしたことをお伝えしました。 CORSIAというのは、Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation(国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム)の略で、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民

政策を成功に結びつけるCCTSD

ローカルな話で恐縮ですが、昨日の23年2月19日、地元佐賀県は鳥栖市の市長選挙の投票日でした。5期目を目指す現市長に、県議4期の実績をひっさげて挑戦する自民推薦の新人の対戦。自民は現市長に4期連続で敗れているところ、論点も多く、注目されていました。 結果は、新人が702票差で現職を破り、初当選でした。(ちなみに、小学校の先輩で、一緒に少年野球をやったりしてました) この結果とその要因をつらつらと思っているうちに、これって、環境政策を始めとする施策の成否につながるなぁとの思

CBAM in motion(2)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしたところです。 2回目は、CBAMが及ぼす影響を、自分なりに考えたいと思います。 何と言っても「輸出業務が変わる」ことですね。 「当たり前だろ」と思われるでしょうが、当該業務に従事する方にとって「CO2排出量の算定」って未知の世界だと思います。 脱炭素に関する人材育成に

CBAM in motion(1)

EUの炭素国境調整措置(CBAM) が、13日、欧州議会とEU理事会がCBAMの導入について合意に達したことで、事実上導入が決定したことは、既にお伝えしておりました。 あとは、EU各国及び欧州議会において、セレモニー的な「採択(adoption)」が行われて最終決定となります。 詳細はどうなるのかなぁと思っていたところ、EY新日本有限責任監査法人がCBAMとCSRDについてのウェビナーを開催してくれたおかげで、かなり理解が進みました。 ということで、レジュメを使いながら