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おすすめYouTubeチャンネルと3Dプリント最前線

この記事はおすすめYouTubeチャンネルをご紹介しつつ、現在は主に企業向けレベルのものではありますが、3Dプリントの最前線を眺めつつ、この技術が家庭用レベルに降りてくる日が来るといいなという記事となっています。

まずはYouTubeチャンネルのご紹介。

Joel Telling さんが3Dプリントに関わる様々な情報を発信しているチャンネル「3D Printing Nerd

最新の3Dプリンターの紹介から、様々な実験、3Dプリント技術に関わる人々との対談など、大変幅広い内容で見応えがあります。ただし英語です。以前にも書きましたが、英語だというだけで避けてしまうともったいないという例ですね。YouTubeなら字幕も出ますので英語の勉強も兼ねてぜひ。

その中で一つご紹介したい動画はこちら。

Gentle Giant Studio という、ハリウッドなどで素晴らしい業績を上げているスタジオの3Dプリントプロフェッショナル Jason Lopesさんとの対談となっています。

出てくる3Dプリンターは日本のMimakiという会社のフルカラーUVインクジェットプリンターです。

動画では、たとえフルカラー3Dプリントができるとしても、キャラクターもののフィギュアを作るには、それぞれのキャラクターが持つ色を再現しなければいけません。動画ではキャラクターの着ている服の「赤」について語られていますが、キャラクターが持つ色は人々が持つ記憶にも深く結びついているので、いい加減な色ではいけないわけです。IP(知的資産)として当たり前です。

そこでこのスタジオでは、まず3Dプリントのカラーチャートを作り、コンテンツホルダーが色指定をできる環境を作り上げました。そしてその次のステップとして正確なカラープロファイルの作成、それを使った3Dスキャンから3Dプリントでの正確な色再現へと発展させています。ポーズをとった男性のリアルなフィギュアは3Dスキャンしたものをそのまま出力したもので、肌の色から服の素材感まで、完璧に再現されています。手作業のペイント等なしです!

紙ではなく3Dプリントされたカラーチャート

3Dプリントしたものの宿命といえば積層ライン。このスタジオでは3Dプリントしたものが、最終的にIPホルダーの承認を得られるクオリティであるようにするために色再現性を損なわないウレタンコーティング手法も開発、さらにそれを応用してビニールやラバー、布、肌などの素材感までもプリントしてしまうというものすごさ。従来の金型でつくられたフィギュアと遜色ないどころか、はるかに高精細な出力品となっています。

さらに動画は続きますが、衝撃的なものがこれ。

透明な球体の中の骸骨

こういうものを作るには骸骨や花を作って、それに透明レジンに沈めて丸くするというのが一般的なやり方ですが、なんとこれは一発プリント。

さらにすごいのは、屈折率を考慮して歪みのない骸骨に見えるように中身が作られている、ということ! この中の骸骨を取り出したら歪んでほっそりとしているというのです。そしてこの透明レジンは特別に開発されたもので、床に落としても割れない強度をもつというものすごさ。

「Know your technology's weekness」

弱点を知れ、それがあなたを前進させると動画の中で語るJason Lopesさん。たとえフルカラーで3Dプリントができる機械があったとしても、ハンズフリーでなんでもできるというわけではなく、技術をどう使って目的を達成するか考えることの重要性を強調されていました。テクノロジーとの向き合い方を考えさせられる動画でもありました。

他にも3D Printing Nerd チャンネルでは超巨大なモデルを出力したり、様々な興味深い動画がありますので、ぜひ一度ご覧ください。

ではまた。



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