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ないから作るカーモデル

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キットが市販されていない車の模型が欲しくなってしまった挙句の、3Dプリントを駆使したカーモデル製作の過程を綴るマガジンです。
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記事一覧

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/10月号)

今回からTR5の完成に向けて2年目のスタートです。ではお品書きから。 完成からの反省TR4を一応完成まで持って行けたので、その過程でのうまく行った事といかなかった事を挙げてみましょう。 まず、思いのほかうまくいったのはドアのヒンジ。ヒンジの回転軸の位置はほぼベストと思える状態でした。 一方、前後フェンダーの取り付け精度が不十分で、ドアとの隙間が一定幅でなかったりしていました。ここは取り付けダボが十分な精度が出るように改良する必要があります。 また、ボンネットのヒンジの

【ないから作る】 Plymouth Valiant 1971 (2024/10月号)

まえがきTriumph は引き続き作っていきますが、TR4が一応の完成をみたので、今回から新しいシリーズを始めます。少し前に『ないから作りたいカーモデルの棚卸し』として、キットが出ていないけれど作りたいカーモデルのリストを書き出しました。 その記事を書き終わってふと思ったのは、 「アメ車がない…」 でした。 コルベットやマスタングなど、好きな車がないわけではありませんが、キットのない車を作ってやろうという熱量に欠けていました。 なにかアメ車も作りたいなと思っていた

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/9月号)

TR4 ひとまずの完成です! 今月のお品書きはこちら ブレーキランプを作るレジンプリントであればクリアレジンで作るという手がありますが、うちはFDMプリントなので、いったんプリントしたものを型取りしてUVレジンで置き換えます。 青い型は、ブルーミックスという型取り用のパテで作っています。おゆまるという、温めると柔らかくなり冷めると固まるという樹脂粘土もあるのですが、結構熱いうちに作業しないといけないので意外と大変なのです。 こちらは白と青の2つのパテを混ぜると30秒ほど

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/8月号)

今月のお品書きです。 TR4のボディパネルの塗装TR4のボディパネルについては、先月中にサフまできていましたので、ついに塗装に入りました。今回は作業手順を慎重に組み立てた結果、失敗なく最後までいけそうです。 色はフィニッシャーズカラーのブライトレッドに、純色グリーンを混ぜて少し明度を下げています。ブライトレッドはそのままだと蛍光かと思うくらい鮮やかで少し眩しいです(笑) 明度を落とすのに黒ではなく、緑を混ぜているのは、くすみなく明度だけを落としたいからで、黒を混ぜるより

ないから作りたいカーモデルの棚卸し

カーモデルを作り始めた頃は、市販のキットだけでも「あれを作りたい」「これも作りたい」というものがたくさんあり、プラモデルという商品の性質上、手に入るときに手に入れておかないと後々では手に入れられなくなるため、とりあえず作りたいものは購入して積んでおく必要が生じます。 そうして積まれていったものだけでも現時点で数十点あるわけですが、これがまた不思議なもので、積んであるものを作ればいいのに、なぜかキット化されていない車を作りたくなってしまうという厄介な願望が首をもたげてしまいま

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/7月号)

今月のお品書きです。 6気筒エンジンの制作さて、先月までにリアサスがセミトレーリングアームのシャーシーの3Dプリンターでの出力が終わりましたので、今月はそのシャーシーに乗せる6気筒エンジンを作っていきます。 TR4にはTR4Aという改良版が存在して、それはこのセミトレーリングアームシャーシーにTR4の4気筒エンジンを乗せたものになります。このシャーシーを作るにあたっては既に製作済みの4気筒エンジンも載せられるようにしてありますが、TR5はこのシャーシーに6気筒エンジンを乗

【ないから作る】 Fiat X1/9(2024/6月号)

今月のお品書きです。 内装を作る先月までに作ったものは、窓ガラス部分を埋めてしまい、内装なしとなっていました。これは『2mGandini』企画の締切に間に合わせようとしたためのものでしたが、6月を「延長戦」として、この1ヶ月で内装を作りました。 なにぶん 1/43 スケールなのであまり細かいディティールを作って行っても印刷できないため、ここは「これくらいなら出るよね」というカンと読みで作っていきます。 中でも問題なのは三角窓の柱です。前後どちらともつながっておらず、柱が

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/6月号)

今月のお品書きです。 新シャーシーの製作TR3、TR4のシャーシーはリアがリーフスプリング、いわゆる板バネのサスペンションですが、スポーツカーとしてはどうなのかと思われたか、TR4Aという改良版からリアがセミトレーリングアームという形式に変更されています。このシャーシーは後のTR5、TR6へと使われていくものになります。 TR6を作り始めた時に、最初はボディーに集中したかったことと、全体の組み上げを優先したため、サスペンション周りは簡易版にして作り始めましたが、前期型のシ

【ないから作る】 Fiat X1/9(2024/5月号)

『ないから作る』の新シリーズとなります。Fiat の X1/9 を作っていきます。 Fiat X1/9 とはこの車は惜しくもこの春他界されたカーデザインの巨匠マルチェロ・ガンディーニ氏の手になるものです。 先ほど開催されたオートモビルカウンシル 2024ではガンディーニ氏を偲ぶ企画展がありましたが、残念ながらX1/9の姿を見ることはできませんでした。トップの写真はクラシックカーディーラーさんのブースに飾られていた写真です。実車はその場にありませんでしたが、現在でも380万

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/5月号)

今月のお品書きです。 ボンネットを開閉したい!さて、先月までにエンジン付きのシャーシ部分を作りましたが、エンジンをまで作っておいてボンネットが固定ではもったいない。そのためボンネットを開閉できるようにヒンジを作っていきます。 TR4もTR6もボンネットは前側がヒンジになっていて、前開きボンネットとなっています。ヒンジのアームはボンネット裏のサポート固定されていて、ヒンジの軸はインナーフェンダーの前端ギリギリのところにあります。 組み立てたところを内側から見るとこのように

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/4月号)

今月のお品書きです。 旧型シャーシーのモデリング先月までにTR4の外観はおおよそ出来上がりましたが、シャーシーはTR6を作った時のシャーシ、しかも簡易版でした。 TR4はシャーシはTR3から引き継いでおり、リアが板バネをつかったリーフスプリング形式となっています。TR4Aからシャーシが改良され、リアのサシペンションがセミトレーリングアーム形式に変更、TR5、TR6まで使われました。 今後TR3も作っていくことを考えると、ここでリーフスプリング形式のシャーシの簡易版を作っ

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/3月号)

今月のお品書きです。 Triumph TR4の組み立てTR6の出力が一通りできたので、シャーシー、インテリアはそのまま再利用してTR4のモデリングを進めました。当初、ボディももう少し共用できるかとおもったのですが、結果的にドアパネルしか使い回せませんでした。 TR3とTR4はシャーシーが共通(リアがリーフスプリング)、エンジンは4気筒、TR4AとTR5、TR6がシャーシー共通(リアがセミトレーリングアーム)、TR4Aは4気筒エンジンだけれど、TR5、TR6は6気筒エンジン

【ないから作る】 Triumph TRシリーズ (2024/2月号)

トライアンフといえば、現在ではバイクメーカーの名前として知られていますが、トライアンフは自動車メーカーでもありました。現在はもう自動車メーカーとしては存在しておらず、「Triumph」の商標はBMWが所有しているそうです。 さて、当然のことながら、現状それほどポピュラーでもないクラシックカーのプラモデルが市販される確率は低く、TR3のプラモデルがかろうじて存在している程度です。しかしながらTRシリーズだけでもTR1からTR8まで存在しており、他にもGTやSpitfireなど