第1回 あなたは気づいていないだけ


 「自分の思いをどうやって伝えていいのか分からない」
「ホームページやチラシを作ればいいとは思うが、気持ちをのせることができない」
 「お客さまに自分のやっていることがきちんと伝わっているだろうか」
 「次、また来ていただけるかな」

起業して自分で仕事をしている人はとくに、このような思いを抱えているのではないしょうか。ホームページはつくった、SNSも頑張っている。だけど、思ったほど広がらない。

わたしはコピーライターとして16年目を走っています。
そのなかで、この悩みを解決できるヒントに気づきました。
そのことを、ここではお話します。

○混同しない
結論から言えば、情報発信には2つの段階があるのです。
1)お客さまに自社のことを認知していただく段階
2)認知いただいたお客さまと関係を深める段階

1)は、自分の存在を知らしめたり、やっていることを正しく理解いただいたりするのが目的。「わたしは」という主語で発信することが多い。「わたしは〇〇をやっています」など。
2)は、相手のことをもっとよく知ったり、相手を喜ばせたり、満足いただいたりするのが目的。例えば、セラピストであれば、「わたしは〇〇の技術をもっています」というのは1)。それに対して、「あなたは、どこがお疲れですか?」など、あなたを主語とした問いかけ及び傾聴は2)。「あなた」のことを観察し、できれば双方向のコミュニケーションで関係性を深めるのが理想。

この1)と2)を混同しているから、情報発信が苦手だという経営者が多い。
このことを、わたしはコピーライターの仕事をしながら経営者と向き合うなかで感じました。
1)は、しっかり自己アピールすることが大事。
2)は、しっかりとお客さまと向き合い、共感し、心を通わせ、愛することができるようになれば、最高です。

○何を言うのか

1)は、自分の紹介や商品・サービスの説明が主な情報となります。
2)は、たった一人のお客さまを想定して、その人のことを思い、どうすればもっと喜んでいただけるかを想像しながら、必要としている情報などをお届けすること。また、相手もあなたのことを好きになっていたら、元気かどうか気になるものです。日常のさりげない一コマを届けることも有効です。

1)は自己アピールですが、2)は、アピールするという発想ではうまくいきません。このことをよく理解されていない経営者が多くいます。
自分本位のアピールではなく、相手のことを深く知ったうえで、相手意識に立った情報を発信していくことが重要です。

起業したばかりで、スタッフを雇用していない経営者は、どうしてもこの1)と2)の頭を切りかえて情報発信をしていくのが難しいものです。
それは、新規顧客を獲得しながら、既存顧客のリピーターを増やしていくという2つのことを同時にする難しさです。
スタッフに役割を分担させられないならば、例えば、1日の時間の使い方を工夫して、1)と2)に当たる必要があります。

ここでは、情報発信に苦手意識を抱いている経営者に向けて、とりわけ2)についてお話をします。(1については、個別にご相談を賜っています。info@coneri.co.jpまでお問い合わせください)
2)の情報発信の感覚を身につけていただき、最後にご自身で2)の情報発信ができる状態をめざします。

次の5つのコンテンツを用意しています。
よろしければ、お付き合いください。

第2回 具体的な一人と向き合うということ
第3回 言葉と経営
第4回 すべての起点は、言葉
第5回 「言葉と経営」第2弾。経営者も起業家も在宅でできる!実践プログラムのご案内

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