見出し画像

Eugenの備忘録その10-4/15沼尻竜典指揮神奈川フィルショスタコーヴィチ7番《レニングラード》

4/15 神奈川フィルみなとみらい定期第385回(14時より、於横浜みなとみらいホール大ホール)
沼尻竜典指揮神奈川フィル 
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番《レニングラード》

ショスタコーヴィチ7番《レニングラード》の一本勝負だが、びわ湖の《マイスタージンガー》同様、要所を締める沼尻の手腕が光る演奏となった。第1楽章の中間部の阿鼻叫喚や第3楽章の美しい主題、フィナーレの壮大なコーダと聴かせどころを押さえた。
全体にはバンダ含む金管の威力がクライマックスでものを言い、また石田コンマスの統率力も欠かせなかっただろう。オケのアンサンブルの精度がもう一段上がると大型曲において更に長けた演奏が出来ると期待。沼尻の指揮は標準的なテンポながら随所に絶妙な味付けを施し秀逸。沼尻は第1楽章、第2楽章、第3楽章の主題再現においてかなり神経を行き届かせた指揮をしており、冒頭にあっさり提示されたテーマがより色濃く回帰するという現象を引き起こす。これはオペラ経験が豊富で動機やメロディの意味付けに長けた沼尻の面目躍如たるところだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?